うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

NHKプロフェッショナル仕事の流儀で栗林慧さんを見た。奇しくも国立科学博物館の『昆虫』を見た翌日に。


2018年9月2日、妻の実家でテレビを見ていると、義父が大好きなNHKで「プロフェッショナル仕事の流儀」の再放送がやっていた。
今回の主役は写真家の栗林慧さん。
で、この栗林さんが超すっごかったんです。


百聞は一見にしかずなんで、まず
栗林慧さんのwebサイト
を見てほしい。
トップページにデカデカと写真が出るので、はじっこをクリックして他の写真も見てほしい。


すごくない?
昆虫の質感がものすごく伝わってくるんです。
カブトムシの殻ってつるつるしてると思ってたけど、表面が小さくザラザラしてるのねー、とか、
アリの体ってうっすら毛が生えてるのねーとか、




極限まで接写しないと撮れない写真ですよ。
羽があるトンボや脚力がものっそいバッタみたいな昆虫も撮っているということは、
着地地点を予想してひたすら待つか、こっちから虫に近づかなきゃいけない。
で、栗林さんは「虫を脅さないレンズを作って虫に近づく」という手法を取ってる。


この「虫を驚かせないレンズ」は公式サイトによると

医師が使う内視鏡を改造して作った

んだそうです。
スゴイ。
クリビジョンって名前だそうです。


んで、またすごいのが、
超接写してるのにしっかり遠くの背景がちゃんと写り込んでるんですよ。
これのなにがスゴイの?という方はぜひGoogle画像検索あたりで
「写真 マクロ撮影 背景 写らない」
みたいな検索をしてみてほしいんです。接写なのに背景がちゃんと写ってる写真がないことに気づくと思うんです。
でも栗林さんの写真はばっちり遠景が適度なボケ味で写ってるのよー、超スゴイ。

プロフィール

ざっくり書くと
1939年満州生まれ→長崎で虫好きなお父さんといっしょに虫とたわむれる→東京に出て虫きっかけで友達が増える
自衛隊や保険会社で9年働きつつ専門学校で写真を学ぶ→アマチュア時代から虫の写真で賞を取りまくる→1977年に長崎に引っ越し
→虫の写真をさらに取りまくる→自分でカメラの改造したり虫接写用レンズを作る→日本写真協会新人賞を皮切りに賞取りまくり
→2008年紫綬褒章受章→2018年 79歳でいまだ現役


という、「好きを仕事にする」みたいなことを言ってる人に片っ端から爪の垢を売ったほうが良さそうな人物です。
超好感持てるでしょ?
しかも番組の冒頭ではバイクに乗って林に乗り付けてた。
こんな79歳スバラシイ。

ビジョン

あと、この記事を書こうと思って調べていて、
栗林さんのwebサイトの「プロフィール」を見てたんです。
そしたら、「ビジョン」という欄があって、
「自然に対して興味を持つ子どもをもっと増やすこと」
って書いてあった。


お、おお、おおおおお、
広い範囲で後進を育てようとしてらっしゃる。
そういえばテレビでも近所の子供を集めて
昆虫の写真を撮るワークショップをやってらっしゃった。


アツい。
なんてすごい人なんだ。

奇しくも

奇しくもこの前日、私は家族とともに
国立科学博物館の特別展示「昆虫」を見に行ったのでした。
昆虫熱が上がったところにきて、この番組を見られたことは
とっても価値があることでした。


以前からこのブログで書くことですが、
なにかに対する愛情が強くて、行動している人は、
それだけでも輝いているものです。
「好き」というのはなにより強い動機なんじゃないなかー、と思う。
どれだけ好きなことをしているか自分を省みる、いい機会になりました。