うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

失敗に学ぼう、というGYOMUハック心得。っていうかどの仕事でも失敗から学ばないといかんよね。

みなさん。失敗してますか?
僕は自分でたくさんの失敗をしたし、
もっとたくさんの失敗を見てきました。


こういうことを書く時って、
かっこいいことを書きがちなんですが、
かっこわるい失敗の話を書こうと思います。
World Wideに失敗を好評。
ああ、恥ずかしや、恥ずかしや。


「システムを作るのって目に見えない仕事だから、設計ってタイヘンだよね。」
というのは、発注側も受注側も考える人も手を動かす人も、
思ってるんじゃないかと思います。
私はたまにそんな話を人とします。


先日も私は例の
「顧客が本当に必要だったもの」の画像を同僚に見せて
ああ、そうそう、そういうことですよねー。
みたいな話をしました。
※「顧客が本当に必要だったもの」をご存知無い方は見てきてくださいね。
 「顧客が本当に必要だったもの」のグーグル画像検索結果




新しい仕組みができあがって、
「古い仕組みはもう使えませんよ!」と宣言すれば、
後戻りはできなくなりますけども、
「前のほうがよかった…」みたいなお声は必ずあるもの。
いや、ただ慣れてたからだろ?と思いつつ、
しばらくしたらこっちのほうがいいって気づくぜ、と思いつつ。
ちょっとヒヤヒヤしつつ。


っていうかそもそも我々GYOMUハッカーは、
なにを扱っているのだろう。

システムってなんだっけ?

辞書的には「システム」だけ調べると

(複雑な要素から構成されながら一つの統一体を作っている)組織、(政治・経済・社会などの)機構、制度、(支配)体制、(学問・思想などの)体系、(通信・輸送などの)組織網、(山・河川などの)系統、系統、器官、系

って書いてあります。
"「system」出展:weblio"


「情報システム」を調べると

情報システム(データベースにおける)
情報処理システムと,これに関連する人的資源,技術的資源,財的資源などの組織上の資源とからなり,情報を提供し配布するもの.
情報の維持及び操作のためのシステムを形成する概念スキーマ,情報ベース及び情報処理系.
コミュニケーションを可能にして,情報を処理するコミュニケーションシステム.

って書いてある。
"「information system」出展:weblio"


私の脳内辞書的には、
システムってやつは、
インプットして処理してアウトプットするんですよ。
超ざっくり言うと。
インプットして処理してアウトプットする仕組みです。
これは情報システムに限らない話。


そんなシステムの設計、運用、改善の中で、
まあいろいろな失敗が、失敗劇場が、繰り広げられてきたわけです。

こんな種類の失敗をしてきた/見てきたよ、という話。あるいは失敗あるある

ここで、過去を振り返って
GYOMUハックっぽいことで体験した、あるいは見かけた「失敗例」を紐解いてみましょう。

1.作ったけど使われない機能

ユーザーと話をしていて「この問題をこう解決するために、必要な機能です!」
と言われて作ったはずが、
できあがる頃には運用が変わっていたりして、
上手く機能しない。
あるいは他の要因があって上手く機能しない。
みたいなことがあります。


そもそも新規事業が立ち上がるタイミングだったりすると、
数ヶ月したら「新規事業立ち上げリーダー」が居なくなってたりして、
後任の人がまったく別なところから来たりして。
思想がガラっと変わったりして。


そして、上手く機能しないから、
使われなくなったり、
「必殺!運用でカバー!」が発動したりする。
それか、なかったことになる
(BGMは郷ひろみで「なかったコトにして」)
(もちろん新規事業そのものが無くなる場合もあったりなかったりするけど…。それはまた、別の、話。)


運用が始まったとしても、
舗装路を走るって言うからデコボコが少ないタイヤをつけたのに、
気づいたらなぜか砂地を走らされている車みたいです。
砂地走るなら先に言ってよ、と。


しかも砂地を走り始めてしばーらくしてから言われたりする。
ちょまってよー、他の部品も砂地メインでは考えてないしー、みたいな、ね。
そもそも「砂地を走る」というのを、みんなが共有できてなかったりする場合もあるし、
イメージする砂地がお砂場なのかサハラ砂漠なのかみたいな違いもある。


これ、すごいくだらないんだけど、規模にかかわらず起きるんだよね。
目に見えない砂地を走る目に見えない車を作ってるみたいなものだから、
なんだか変なことになってても
それに気づかなかったりするのですね。


前提、根本。
そんなものをしっかり考えて共有して、
そこをブラさないように進めないとこういうことになるんです。

2.前に作ったのとそっくりなものを新しく作られちゃうとかいう謎の怪現象。こわい。

クラウドSFAを使っているある人が
「フェーズを管理する項目が8個あります。」
という話をしてるのを聞いたことがあります。


「まったく同じもの」ではないんだけど、
同じ目的を持っているように見える項目ね。
定食屋さんに入ったら
先割れスプーンとスプーンと二又のフォークと先が4本のフォークと箸が出てくるような、
フォーク一つでよかったりするのに。


↓この本を思い出したりしますね。


「これだとおもうけどーこっちのほうが合ってるかもー」
という思惑が働いて、
ちょっと違うけど同じ目的の似たものがたくさん生まれたりします。


元々はその管理項目の何かを集計したかったはずなのに、
数年単位で集計しようとすると、時期によって別な項目だから集計できなかったりする。
KPI調べようとして過去分を見るためには
結局エクセルで集計することになったりする。


ばっさり過去データを消すか、
データ形式に合うように調整するかが必要になるよね。
「昔はテキスト入力の項目だったけど、集計しにくいからセレクトボックスにしよう!」とかね。
なぜ人は同じ過ちを繰り返すのでしょう。


そこが重点ならみっちりやるべきだし、
重点じゃないなら、実はもうやめちゃえ!という手も
あるかもしれません。
断捨離大事。


目に見えないものを作ってるので、
ルールの話か道具の話かわかんなくなっちゃうんですよね。
根本、本質みたいなものを共有したら
「重要な指標ってなんだっけ?」
という点も押さえて、大きい数字(根っこに近い数値目標)をブラさないこと。

3.消すはずなのに残っちゃったり新たに生まれたりするエクセルなど

あれ?そのエクセル無くすんじゃなかったの?
まだ使ってるの?
おや?前に使ってたのと同じようなのができてる?
んー、便利だよねーわかるー。


という話になって、最終的には消える運命にあるのか?というブツがあって、
謎の二重作業をしてる場合もある。
システムと運用にズレがあるんですね。
もっとヒドイと、やりたい運用と体制にズレがあったりする。
バットはあるけど打者不在!みたいな。


この「ズレ」みたいなものを解決していくのも、
広義のGYOMUハックって言えそう。


いやほんと、
「このシステムのここがイケてない」みたいな話を聞いていたはずが
実は「それを使うリソースがない」というのが答えの場合もある。
たまに見かける謎の怪現象。
システムどうこうの前にその
ドワーフしかいない指輪物語みたいなバランスの悪さ」に気づこう。

4.「備考欄」とか「メモ」とか「その他」の沼

「フリーテキストの入力欄」って、便利じゃないですかー。
便利なんですよ。だって、フリーなテキストが入力できる欄だから。
でも、フリーなテキストが書けると
「それで一項目作ったほうがよかったんじゃないの?」
みたいなことをズラズラ書き出す人がいるんですよ。


あとなんか「この欄に★がついているのは◯◯なデータなんです!」みたいな、
謎の運用ルールができあがってたりする。


過去を振り返ってみて、
ヒドイのになるとテキスト欄に
※★□◯¥$
みたいな謎の記号が入っていて、
文字化けかと思うよね。


これは1つ1つの記号がそれぞれの意味を持ってたりする。
「要確認、連絡する時は注意!」みたいな意味が「★」に込められてたりする。
しかも、全ての記号を理解している人がいなかったりする。
必要ならちゃんと項目作るなりタグ管理できるようにしようぜ―、という話なんですよ。

まとめ

「正しく動く情報システムを作る」だけじゃなくて、
使う人のマインドや各自のゴールまで含めた
「目標を達成するシステムを作る」というのを
ちゃんとゴールにしないといかんのですよね。


走って曲がって止まる車を作りたいんじゃなくて、
家族みんなでおでかけやお買い物に行く体験を与えるための車を作らなくちゃいけない。
それがゴールなら。

こうするべきなんじゃないかな。

人によってはPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)とかをちゃんと踏襲して進める!
とかもあると思います。
でも、そのへんにリソースを避けない場合が多々々々々分にある。と思うたぶん。


だから、まず先によく考えるんです。
よく聞いて、よく質問して、よく考える。
「なんでそうしたいの?」
「そうなってると何がいいの?」
「WHYWHYWHYWHYWHYWHYWHY?」。


もちろん使ってみてわかることもあるから、
テストユーザーに使ってもらったりもしましょう。
あとは、最初に作った「前提、根本。」のところからずれてないかな?と確認したり、
「俺はいいけど、YAZAWAが何て言うかな?」とばかりに違う視点で見てみたり、
調整しながら詰めていく。


このあたり、以前私が行ったイベント
大規模リニューアルプロジェクトの舞台裏 UX & Service Sketch #21というのに参加してきたよ。 - うさみ日記
の話とかも参考になるかもしれません。


失敗することは大なり小なり多々々々々あるので、
できるだけ失敗しないように進めようと誰もが思うんですよね。


あ、慎重になるあまり、なにも新しいことをしない、
っていうのだけはやめましょうね。

真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ!困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!

って、すごく有名な本に書いてありますが、ほんとそのとおりですからね。


この記事は
GYOMUハック/業務ハック Advent Calendar 2018 - Adventar
用に書いた記事です!