いや、私ほら仕事で貸し会議室とか月極駐車場とかに関わるじゃないですかー関わるんですよー。
んで、そのどっちもご多分に漏れず「シェアリングエコノミーの脅威」みたいなものにさらされてるんです―こわーい。
どちらも「場所をシェアするサービス」なので。
ということで、「海外のそんなんってどんなんなってんの?」っつって
Googleでぐぐっとググってみるじゃないですか。
そうすると出るわ出るわいろんなサイトやアプリが。
んで、
The most popular ideas in the sharing economy | JustPark
っていうwebページにまとまってたので、
見てみたんです。
2015年にはもうtwitterでシェアされてたので、
かれこれ4年前くらいのサイトがまとめられている。
残ってるサイトもたくさんあるんだけど、
404Errorとか、ドメイン買い取られてまったく別サイトになっちゃってるやつとか、
見ただけで「ウイルスの脅威にさらされています」ってウイルスソフトの警告が出るやつとかいろいろ。
こわーい。
さて、そんなリストを上から順番に見てみた結果、
どのくらいのサイトが残っていたか、という話と、
一番下に「なんで絶滅したのか、なんで繁栄したのか」みたいな
考察を載せようと思います。
シェアリングエコノミー各カテゴリーにおけるご存命率
個人間でお金を貸してくれるサービス(I can lend you some money)
→そこそこ残ってる。っていうか元々ものすごい多い
家事を手伝ってくれるサービス(I can help you with your chores)
→3分の1くらい残ってる。
車を貸し借りできるサービス(You can borrow my car)
→3分の2くらい残ってる
ビジネス用のお金を貸してくれるサービス(I can lend you money for your business)
→3分の1くらい残ってる
部屋を貸してくれるサービス(You can stay in my spare room)
→Airbnbだけかと思ったら3分の1くらいは残ってる
個人間でいらないものの取引(You can buy stuff I no longer need)
→2割残くらい。Craiglistは相変わらず元気。
なにかのスキルを教える系(I can teach you some skills)
→かなり減ってる。1割残りくらい??
でも新しいのも多数ありそう
地元を案内してあげる系(I can show you around town)
→半分から3分の2くらい残ってる。
荷物を送ってあげる系(I can deliver your parcel)
→3分の1から半分くらい残ってる
いっしょにドライブ系(We can drive somewhere together)
→7割がた残ってる。
近所の人からモノ借りる系(You can borrow stuff you don't want to buy)
→3割残くらいかな。けっこうなくなってる。
空きスペースを駐車場として貸してくれる(You can borrow stuff you don't want to buy)
→半分残くらい
ボートの貸し借りサービス(You can borrow my boat)
→9割残ってる
家を訪ねてごはん食べる系(Come have dinner at my house)
→2割残
家にごはんを作りに来てくれる系(I can cook you dinner)
→2割残
いらないものを物々交換(We can swap stuff we no longer need)
→8割残ってる
いらない服を個人間売買(You can buy my clothes)
→6割残りくらい
大学の勉強を助けてくれる(I can help you with your college subject)
→7割残
ひっこしのお手伝い(I can help you move house)
→8割残。なんとなくわかるなー
ビジネスのアドバイスをしてもらえる(I can help you with some business advice)
→半分残くらい。
ドッグシッターしてくれる(I can look after your dog)
→7割残くらいかな
車に乗せてもらえる(I can give you a lift)
→6割残。ていうかUberとLyft以外も生き残ってるのね。
家を一時的に交換するサービス(You can stay at my house and I'll stay at yours)
→意外と8割残。
プロジェクトにお金出してもらえる(I can fund your project)
→全残り!kickstarterもINDIEGOGOも2015くらいにはもうあったのね
コワーキングとか事務所の間借りとか(You can work from a spare desk in my office)
→9割残。WEWORKも2015年にはもうあった。
デザイナーものの服を個人間貸し借り(You can borrow my designer clothes)
→9割残。「いらない服の売買」と似てるのに
旅行者に買い物してもらう(I can buy something for you next time I go abroad)
→2割残くらい
自転車の貸し借りサービス(You can borrow my bicycle)
→2割残くらい
荷物の個人間お預けお預かり(You can store your stuff at my place)
→6割残くらい
うちのスペースで仕事していいよ(You can work from my living room)
→7割残くらい
食べ物をレストランから届けてくれる(I can pick up your food shopping)
→1割残。今ならUberEatsだろうけど、当時はまだないみたい
服の交換(We can swap some clothes)
→4割残
家の掃除をしてくれる(I can clean your house)
→6割残
服を選んでくれる(I can help you choose what to wear)
→2割残だけど、サービス内容が違くなってるような…
芝生を刈ってくれる(I can mow your lawn)
→6割残。自動草刈り機とシェアリングエコノミーの勝負か…
海外送金サービス(You can buy currency)
→8割残
車の個人間売買(You can buy my car)
→1サイト残
なんかしらお手伝いサービス(I can offer you some services)
→10割残!意外とトラブル少ないのか?
家庭用品貸し借り系(You can borrow my household items)
→いっこもなくなってる
この辺になると1カテゴリに4サイトとかしかないので、
このへんで。
考察。あるいは進化論的な絶滅/繁栄っぽい話
・プチ富裕層っぽいのは滅びにくい(ボートとか)
・自転車とかカメラとか、愛着強そうなものはイマイチなのかも
・場所貸しはやはりアリだね
・UBER、Lyft的なやつはやはり強いね
・どっちかっていうと「尖ったカテゴリ」のほうがいいのね、
「服」ではなく「デザイナーズブランドの服」の方が強い
・お金貸し借りとか送金とかはシンプルだし強め
・ご近所お手伝い系はふつうに使われるけど、たぶん国や地域によって異なる
・スキルを教えてあげる系は意外と弱い
んー、こう見てるともしかして
「お金ある人が嗜好品っぽい使い方をするもの」と
「今までプロに払っていたお金を素人に払っても結果が変わらないもの」が強いのかな。
逆に
「今までもお金を使っていなかったけど
ITの力でどうこうする」というのは弱いっぽい。
例えば芝生刈るのはいままでも自分でやるか業者に頼んでたのを
人にやってもらって、自分の時給がいくら位でという計算がしやすい。
もちろん、移動とか宿泊みたいな、今も誰かにお金を払ってるものは、
そのお金の出し先が変わるだけだから成立しやすい。
タクシーとUBERとかホテルとAirbnbみたいな話だよね。
でも「個人的に似合う服を選んであげるよ」というのは、
たぶん今まで使ったことがある人が少ないサービスだから、
社会全体でキープされてる予算が少なくて、流行らなかったんじゃないかなー、とも思う。
(もちろん「いや、服買ってるんだからその金あるだろうよ」という意見もあろうけども…)
あと、大事なことだけど
「過去に滅んだからニーズがないのか」っていうとたぶんそんなことないんだね。
余談。マダガスカルのもう一回進化しちゃった鳥の話
一度は絶滅し、再び進化してよみがえった鳥 | ギズモード・ジャパン
という話を聞いたんだけど、
生き物の進化ってほんとすごいよね。
「島が隆起→飛べる鳥が飛んでくる→安全だから飛べないように進化してしまう→島が水没→絶滅
→再び島が隆起→飛べる鳥が飛んでくる→安全だから飛べないように進化してしまう→…」
みたいな、なんか手塚治虫まんがでありそうな話。
鳥の場合は意図があって進化したわけではないけど、
webサイトも滅んじゃうのは滅んじゃうんだよね。
そのサイトが良いか悪いかには実はあんまり関係なく。
運命みたいなもんがあるよねー。