うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

Inside Sales conference 2019 session B-3 マーケティングとセールスのあるべき姿とは?-「Self-educating Buyers」と「コンテクスト」から読み解く徹底討議 #iscon2019

自己紹介

翔泳社SalesfZine編集部 宮田華江さん

Salestech系の記事など。

高広のりひこさん 株式会社スケダチ 社会情報大学大学院

コンサル、支援

BtoBマーケター 戸栗しょうへいさん Hubspotの立ち上げ。マーケ責任者

フリーランスのマーケター

Vcubeマーケティング本部 佐藤岳さん

見込み獲得とインサイドの両方をやっている
いかに商談数を上げていくか

インサイドセールスの定義(高広さん)

salesf performance internationalによると
・テレプロスペクティング…見込み客をフィルターにかけ、ちょうどいいタイミングで電話。セールスに渡す
・インバウンド…電話がかかってくるのの対応。セールスに渡す
・ショートソリューションセールス…電話完結型。SaaSとかだとFSおらず、ここで完結する
インサイドソリューションセールス…洗練されてないリストへの電話


※必ずしも契約とるための動きではない


今のB2Bは商談期間が短かったり、お客さんがすでに導入を決めてから来たりする。
そこで必要になってるのがInside Salesが大事になってる。
営業行為を内勤型に置き換えるだけじゃなくて、
新しい活動をしていく部門だよ。
デジタル社会になって購買活動が変わってきてるから。


戸栗さんはどんなISしてました?
・ISではなくマーケやってました
・テレプロスペクティングとインバウンドをやっていた
・ショートソリューションは単価安いとうまく作用するかもですね

そもそも「Self Educating Buyers」とは?

「自らを教育する買い手」
本:Invisible sale Tom Martin著

お客さんが自分たちの課題に対する解決策を自分たちで探し、学んでいる時代


お客様にとっての教育になる情報を渡せないと、売り手買い手双方に無駄になる。


この言葉をキーワードに今の活動を見直しませんか?という内容。


Tom Martinの言葉「AIKIDO SELLING」
セッションの最初がスティーブン・セガール合気道をやってた話から
曰く
「今までの営業はMartial arts、
 これからはむしろお客さんが自分で情報を調べてやってくる。
 それに対する営業を」


Invisible Sales Pipeline
と言う言葉。
SFAは営業の活動を見るが、
お客さんの活動が大事


課題認識・機会発見→解決策のリサーチ→解決策の比較検討→サプライヤーの検討→サプライヤーの決定
「課題があれば、情報を勝手に見てくれたりするよね」


従来のようにお客さんを見つけるのではなく、
お客さん側から見つけられる、調べられる時代への対応策

見えないパイプラインをどう把握するか

佐藤さん
ハブスポットを使うのが一つ、WEB CMSをHUB SPOTと連携させて使う。ページ数3千ページくらい。
お客さんがどのようなページをどう見てるかがわかってくる。
お客さんの行動が当社webサイト内で蓄積されていき、invisibleがvisibleに。


お客様のシグナルをキャッチ→関係者にメールで通知。


とぐりさん
マーケの責任領域とセールスの責任領域があり、
Buying funnelでのマーケが見える領域をデジタルのチカラで見えるようにしていく
(今まで見えなかった部分)


インサイドセールスはマーケと営業の間にできた。どこからどこまでやるか、という部分はどうしてる?

Vcubeさん
インサイドセールスの役割は?
「We Are "Chance Maker"」=「我々は機会創出者である」

お客様への機会創出者として、さまざまなチャネルを経てご縁が合った方に情報を届ける
営業に対し案件を創出する


マーケはなにやる?が理解できないとISがなにやるかはわからない
マーケとから営業の施策の流れはインバウンド型とアウトバウンド型でも異なるが、
マーケティング内容に沿った電話や提案が必要になっている。
ブログ、SNS、「お客さんが本当にほしいコンテンツは?」


V-cube佐藤さん
入った当初「マーケお金かかるけどよくわからない」と経営陣から言われたり、営業は営業で販促してたり。
→マーケと営業が連携できるようにしていった。
→お客様を知ろう。そうしないと売れない
→「どういうきっかけで買う?」ペルソナとカスタマージャーニーをマーケと営業が作って共有
→どういう順番でどういうコンテンツをお客様が見るのか。という視点
→MAによるビジブル化
→効率的アプローチのためのインサイドセールス立ち上げ


戸栗さん
海外製品を日本に入れる際に、営業をまず入れることが多いけど、
前職はまずマーケを入れた。
マーケが案件を作るから。
→集客できたらその後ろを作っていった


営業ではなくマーケより、と考えるとISに必要なものはなんでしょう。
→聞く力。自分たちのことを話したがってしまうけど、お客様の課題を聞けるか否かが大事。
 でも、いきなり聞いても答えてくれないので、過去の接点から過去の行動や購買から聞く力が大事


チャンスメーカー、といいつつ、「単体で売り切るISを考えている企業」の場合の弊害はありますか?
→無いと思う。
 まずISを立ち上げて聞く力を上げていく、という過程はいっしょ。
 金融の企業と中小企業だと話が違う。
 案件期間が2年と1ヶ月ではやることが違う。
 チームのニーズに合わせてチャンスを作っていく


ISとOSはあくまで違うと思うけど、オンラインで売り切るというのは米国だからできるということもある?
→商材やビジネスモデルによるかな、と思う
 SaaS等サブスクモデルならオンラインでも売りやすいよね

そもそも「コンテクスト」とは?マーケティングの立場から教えてください

MAが生まれた経緯は「買ったリストにアプローチするのは大変だから、リードナーチャリングするために生まれた」
結果として、そこに残った人たちに営業がアプローチしてほしいけど、
営業がなかなか扱ってくれなかった
→マーケとしては使えるデータできてるはずなのに!
 ということでISがさらに一歩踏み込む動きをしてFSを動かすようにした


マーケチームが人を集めるのを粛々とまずはやる
→ISでより機会をつかまえやすいようにする
→今までだと「企業側の思惑」でパイプラインを作っていたが
 これからは顧客側の立場でパイプラインを作っていかないと
 効率的なマーケティングはできない
 特にBtoBの大きなマーケットだと数千人数百件のためには
 アタック数を増やすのではなく、クロージング率を上げないといけない
 そのために何が大事?「信頼」
 営業が行くなら信頼されようもあるけど。
 The end of solution salesf(ハーバードビジネスレビュー
 ソリューションセールス→インサイトセールス


Self Educating buyersなら、課題認識も解決もお客さんがする
自分たちがプロとしてお客さんが「ハッ」とするような情報提供をすることが必要。
ゆえに「お客さんと自分たちの言葉のギャップ」みたいなものを埋めていく必要がある。


age context
Q1:分業ではなく、全部をやるのは難しい?
A1:製品、サービスによる。
  例)ERPを売ってて、もう少し安価なものもやってる
  安いとFSが動けなくて、マーケがISっぽい動き(ゴール直前までボールを持っていくような)
  をすることがある。
  比較的買いやすいものなら統合もできるのでは?
  お客さんのコンテクストによる。お客さんが欲しいものはなにか。


Q2:明確に「FSの登竜門がIS」というとこもあるけど、そうじゃないのもあるよね?
A2:営業職で入社したらISから、という会社もある。
  ISは見込みに対して商談化をする営業的側面と、マーケ的な概念も求められる(最低限理解が必要)
  背景を把握する必要がある。
  ので、マーケ・営業を学べるからISを入り口にしやすい。


Q3:商社の営業でのISはやりにくいですか?
A3:基本的になにも変わらない。コピー機だろうがなんだろうが。
  適切なリードをマーケが生み出せるか否かがISが活躍するかのキーになる。
  マーケ、IS、FS、CSが適切に機能するか、つながっているか、が大事。


Q4:商談先が大企業な場合は?
A4:マーケが見込みのリードを作る、ISが機能する、FSが決める
  大企業か否かではなく、進め方


高広さん一言
「つい最近このページ見ましたよね?」はやめたほうがいいよ。
FSの人がISに来ると、こういうこと言いがち


Q5:ISをコンテンツに落とし込むとか、ISからのフィードバック
A5:ポイントはペルソナだと思う。
  ペルソナ作って、その人の課題を想定し、実際の見込み客にそれを聞いてみる
  それをやると


Q6:これからはABM?
A6:ペルソナを実際の人物で想定。相手がself educatingする。
  BtoBで狙える層かどうか。
  ABMは有効な業種等がある。
  「ターゲティング」という言葉自体が企業側の発想
  お客さん側を自分たちのほうに引き込むことが必要。
  視点のちがいに気をつけよう。

一言ずつまとめ

佐藤さん

端的に言うと「地道に続ける」のが大事。
ペルソナ考えて、お客様視点でコンテンツを作り続ける

戸栗さん

ISを立ち上げるにはマーケとFSの役割を定義づけた上で、
どの位置にISを作るか、を考えると良い組織ができると思う

高広さん

日本の場合、いろんなサービスを売りたい業者さんが
言葉の定義を広めてしまう。
皆さんはだまされずに海外の情報等も調べて
正しい方法論を身に着けてください。


ISってなんなの?というと
Sales hack。
今までできなかった「お客さんの立場になること」
お客さんを理解して、営業をいらなくするためのもの
というドラッカーみたいな話。