うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

Product × Team 最高のプロダクトが生まれる瞬間 AtraeさんのPxTXというイベントに行ってきたよ。その2。 #PxTX

■最高のプロダクトが生まれるチーム
タクラム 渡邉 康太郎さん
ギルド、ピースオブケーク  深津 貴之さん
SIX  野添 剛士さん
Tably 及川卓也さん


渡邉さん
タクラムというのはデザインとイノベーションをテーマにしてる会社。
東京NYロンドン。最近ブランディングのしごとが増えている。
デザイナーが多い。社員45人。
デザインとシステムとか、ものづくりとものがたりとか。
クライアントのプロジェクトや自社プロダクト


深津さん。ギルドはギルド型組織の先駆け。フリーランスが集まってみんなでやってる。
今日のピースオブケイクの「note」のCXOとして、どう組織、サービスを作っていくか。


野添さん。
SIXは6年前に作った。元々博報堂のクリエイティブディレクターばっかり6人集まってスピンアウト。
サッカーで言うと全員ゲームメーカー。我が強い。


・最初のテーマ。最高のプロダクトのために最も大切なことは?


深津さん:サービスが提供するエコシステム全体
野添さん:進化と変化のクリエイションから生まれるすべて
渡邉さん:「森のイメージ」と「手元の種」


野添さん 「進化と変化のクリエイションから生まれるすべて」
プロダクト、ある時は広告を作るし、ある時はプロジェクト、ある時はスピーカー(歌詞を表示できるリリックスピーカー)
いつも共通して大事にしてるのは「問いの角度」。「その問いって、角度立ってるの?」
すこし進化させるという視点もあるけど、
世の中にいままでなかった角度か否か。


ポケモンGOに関わった時、「地図」って目的地にたどり着くためだけのもの?という問いがあった。
リリックスピーカーもWi-Fiで音楽聞くだけじゃなくリリック表示をしていった。
進化で音質上がるし、購入方法も変わってきた。
一方、レコードの頃は歌詞見ながら聞いてた。言葉に対する向き合い方が変わって
言葉がはいってこなくなった。ので、もっと言葉を感じられるのではないか?という問いからスタートした。


問いからスタートできるのだ、と思う。


質問:問いの前にアイデア?アイデアの前に問い?
回答:それは同時に生まれる。ただし早く答えを出す必要はない。答えを出すと固まってしまう


質問:答えがでてから問いに戻ることもある?
回答:ある。戻ることもあるし、問いを寝かすこともある。



深津さん ノートの問い、と思うと、プロダクトって前まで「モノ」だった。
プロダクトアズシングス→プロダクトアズエコシステム。


じゃあ僕らが作るプロダクトって?
セミ?千年続く大樹?
セミは7日間。
大樹は千年。
どういうライフサイクルかによって仲間も変わる。
子孫を残すのも立派なプロダクト。


noteは周辺全部を作っていくようなプロダクト。エコシステム。


最高のプロダクトを作るには「なにを作るのか」で変わる。
最高のセミと最高の木ではやることが違う。


渡邉さん 冬にタクラムが2年連続でイッセイミヤケと作ってる。
お花のコサージュ。花単体ではなく紙で作ったブーケに入れる。
送りてが紙に一筆書いて初めて完成する。
これは一見プロダクトに見えるけど、モノ単体では完成しない。
ユーザに完成してもらうもの。を作りたいと考えている。
日経新聞やメルカリとの事例がある。
タクラムがデザインコンサルタントとして入るだけでなく、
彼らが自走できるようにしていくことが大事と思っている。


森のイメージ:完成予想図の共有
手元の種:day1もプロダクトの一部。


朝日酒造の久保田のブランディング
抽象だけじゃだめだし、具体だけだとだめ。
問いと答えに近いかもしれない。


及川さん モノとしてのプロダクトを超えたもの。
体験が大事、と考えていい?


トラディショナルなモノとしてのプロダクトもある?
エコシステムの中で発生する一つのモノ、だと思う。
プロダクトってモノじゃなくてそれを含む全体。


野添さん モノとコトじゃなくて、
文明と文化の進化、じゃないかな。
多様的に生き残っていく。どっちかじゃない。


及川さん 皆さんの自社ブランドとして出す時もあれば、
受託で携わることもあると思う。
そういった立場で変わること、気をつけてることは?


深津さん
お客さんのは「納品物の呪い」というのがある。
作りました納品しました、で終われば「めでたしめでたし」だけど、
サービスやプロダクトは伴走型にしたくなる。
モノだけのプロダクトは、売ってる時きれいでもだんだん価値が下がる。ボロくなる。
ボロくなっても楽しいな、がいい。売れる売れないだけでなく
「親から子に引き継がれるんだっけ?」みたいなとこまで受託でも考えたい。
そこを乗り越えるのが


野添さん 深津さんのとこの仕事は足が長いですよね。


どうしても納品して終わり、になりがち、どやって伴走型にできるか。


「問いを考えるところのチームに入る。モノを作るのはそれはそれで良い。」
上流下流で言うと上流から。



渡邉さん 月経のタイミングがわかるアプリ。
体温計を作るプロジェクトではなく、リサーチして、
最終的にwebも広報もなにもかも。
でも最初は問いを立てるところから。


納品物の要件定義ができてれば話は速いけど、
そうではないから体力、胆力が必要。
一番最初の予算たてもできないから大変。


自分たちだけで考えてもいいものできないから、
外の知見を借りよう、という組織が増えてる。


クライアントは予算に余白を持ってる事が多い?
それもあるし、やりたいアイデアを実現したい場合もあれば、
大企業だと失敗できないから、外部と連携することが増えているのでは。


深津さん 基本的には仲良くなっていって、クライアントよりクライアントのことを考える。
向こうの人は社内のなにかに縛られるなら、僕らが先に「こういうとこ考えないとね」というのを考える。


及川さん 中の人は近視眼的になりがち。外の目線大事?
野添さん 広告って一発で改善しないといけない。そうでなくアイデア出して長期でやるものもある。
短期的なものは短期的なもので面白い。長期的なプロダクトだけだと疲れちゃうし。


深津さん いっしょに1サービスしか作らないと、比較できずわかりにくい。
いろいろやるの大事。


野添さん 若い頃は1日20案作ったり。


及川さん 短いのと長いのは脳の使ってる部分違う。
野添さん 僕らは短いのばっかり考えていた。長いのにチャレンジしてる。


渡邉さん ぼくらは長いの多いです。クライアントよりやる気が強かったりもする。
めんどくさい会社だと思う。
家電メーカーといっしょに要素技術を使ったハードウェア作る話があって、いろいろ提案して納品したけど、
アプリを考える力や技術力じゃなく、
「レーダーチャートできれいな六角形」を作ることにエンジニアの熱が上がらなかった。
例えば照明だったらエンジニアが燃えるのは「超明るいけど2秒だけの照明」。
エンジニアに火をつけるのも仕事だった。と思う。
そこから汎用的な方向性に進めるのが良い。


野添さん みんな出発点が違うなー、というのがよくわかった。


及川さん 「以前司会していて、それは参加者の生存者バイアスでは?」と言われたことがある。
「成功談ではなく失敗談の共有できるものありますか?」


深津さん やらかし案件としては、こういうテクノロジーで提案ください。
「これは成功しないからやらないほうがいいです」と言ってプロジェクトを止めたことがある。
今でもたぶん同じのが来たら止める。儲からなくても。ダメになるなら納品したくな。


渡邉さん プロセスの話。デザイン思考とかアイデア発想ワークショップとか、メソッド好きだけど、
あるプロジェクトがうまくいったので同じメソッドを他の人にやってもらって大失敗した。
プロジェクトリーダーが異なると、使えるメソッドが変わるということがよくある。
「この刀は他の侍では切れない」ということがある。
メソッドは万能じゃない。
道具とか方法にとらわれず、どういうきっかけでその道具が生まれたか、をおさえるべき。



及川さん いろんなフレームワークがある。日本人はまじめだからフレームワークを学ぶけど、
刀で素振りができても切れるようにはならない。


渡邉さん 刀コレクターの人が多い、という話をすることがある。
及川さん ワークショップがワークショップで終わったり。
溝を埋めるところではなく、アウトプットをすることではなく、
アウトプットをどうつなげていくか、が大事。


深津さん いつもプロダクトで思う。制作の人と生産の人が違う。
制作の場に生産や整備の目線で新しいものを作ろうとしても作れない。
誰が何に向いてるか。
魔法使いに刀をもたせるな。


野添さん そもそも全員がボールもってシュートするチームが失敗するパターン。
役割分担できずに時間が過ぎていく。
ガンダムしかいないみたいな。
今も解決していない。根本的に失敗が解決しない。


みんなでゴールに向かうのではなく、みんなが人を否定しながら自分が


「いや、僕はそうは思わない」というのが最頻出ワード。
全員日向小次郎。なSIX。ゴールないままタイムアップのときもある


及川さん 失敗を恐れず攻められるのは大事だと思う


深津さん 白か黒かのかけでなく、小さい小さいかけにして、統計的に勝てる設計。負けることを織り込んだ価値のプランをしないと、
一発負けてゲームオーバーでは良くない。


及川さん 「負けをどう負けるか」を計算に入れるのは大事


野添さん 101%で勝つのは難しい。たまに圧勝するために負けもあり。


及川さん 深津さんの「作る」が面白い。いわゆる製造、生産。クラフト?クリエイト?クリエイトが抜けてることがある


深津さん 1900年のはじめの製造者と生産者と設計者が同じ人だった。
いまは分離して、原型を作る人から1000人が作る、みたいなことをやってたら、
レア過ぎて新しいものを作る人がいなくなっちゃって、
生産の人が原型を作り出して、というのが呪いの現況だと思う。


いけいけどんどんの時にそうなっちゃったんだと思う。
今後10年くらい、昔のフレームワークで食っていく人が増えていくと、
誰が新しいフレームワーク作るの?ということになっちゃうかも、と思う。


及川さん 最後にチームの話をお願いします。
こういったプロジェクトを作るチームの工夫は?


野添さん お客さんも含めたチーム。ものづくりの原点はリスペクト。
いいものを作るだけでなく、考え方に共感してもらって、何を作ってきたかも見てもらう。
全員でチームでやってるけど、個々人でもやってる。
音楽すごい人、プロレスめっちゃ詳しい人。と言う人へのリスペクトがあって、
社内外に説明して、お互いリスペクトするチームづくりをする。
理解してもらうことからスタートする。
何をやったかだけでなく、なんでそれをやったかまで。


深津さん 個人のnote感として、エコシステムで考えると
多様性大事。
全部が均質だと病気が生まれる。
全員が違うことを考え、大事なものを持ってるけど
「生きる」ということはいっしょだよね、ということ。


仲間集めということだと、重要なのは開発チームというのは開発チームだけでなく、
読者、書く人も含めたチームと捉えている。
早い段階で作ったものを見せていく。
noteコミュニティが「作る組織」


渡邉さん タクラムのミッションは「まだ見ぬ価値を実装し、社会に貢献する」ちょっとぼわっとしている。
45人がそれぞれ「まだ見ぬ価値」を持っている。
個人個人のミッションは違うけど、「まだ見ぬ価値を作る」という点は共通。
そういう組織が強いかと。
誤読可能性。ひとりひとりが間違った解釈をするのではなく、自分に都合よいように理解する。
積極的な誤読ができるものが大事だと思っている。