うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

ファンを作るチーム論。AtraeさんのPxTXというイベントに行ってきたよ。その3。 #PxTX

■3.ファンを作るチーム論


KITEさん ダンサー
亀田誠治さん ベーシスト、プロデューサー
梶さん テレビ朝日。プロデューサー。番組企画演出


KITEさん「距離感」が大切だと思っている。チームを作って回していく上で、
ダンスの現場だけだとだめ。ギスギスしてしまう。いろんなストレスがかかってくる。
個が集まってるので。
ダンス関係ないところも共有している。石垣島のボートレースに参加して、
一隻だけダンサーチームがいる状態。
勝ち負け関係なく参加して、いつもじゃないところで話をする。
ラウンド1に行ったりもする。なんでも言いやすい環境を作る。


亀田さん 音楽を作る上で、最小のチーム単位は「僕対アーティスト」。
とにかくアーティストの話を聞くのを大事にしている。
人の話を聞いてる時間をしっかり取る。
クリエイティブ以外でも、喉の調子が悪いとか、彼氏と喧嘩したとか。
ふんふん聞く。その中で、ぐちから希望からすべてを吐き出してもらう。
人の話を聞くのが好きだし、聞き上手。
アーティストは話すことによって自分の考えが整理されていく。
自分の中で気づきが生まれ、ああ、じゃあこうしようか、とアーティスト自身が考え、
ポジティブなスパイラルが生まれる。
何回一緒に仕事をしてても、かならず毎日アイスブレイクをして、話を聞く。
僕と話すことで僕が写し鏡になる。そこに強力なチームが生まれる。
というのが最小限のチーム作り。
10代から70代まで


梶さん「亀田さん、自分にもこういうほうにもっていきたい、というのもあるんですもんね?」
亀田さん ある。アーティストがやりたいことがあれば「一回やってみよう」という。
違う場合は本人も周りも違うな、と気づく。
BPM上げたいなら上げてみて、だめだとわかったら下げる。
「やってみるとしっくりこないことに気づく」
やる前に指摘しちゃうと否定されてやる気なくす。
「否定から入らず、トライしてみる。共犯者になる。共に。」



梶さん チームというと、制作チームと、演者さんも含むチーム。
一ヶ月とか一ヶ月半打ち合わせして、芸人さんと話すと「うーん…」となることもある。
下手な制作チームはむりやり進めようとする。
拒否されるか、そのままやって演者が乗り切れず、結果が出ない。
そんなときは一度演者の側の立場に立って、理解するところから。
企画の良くない部分がそうすると見えてくる。
「聞く」のは大事。


ちょっと前もある一組だけが「この企画やりたくない」と言った。
撮影一週間前。他の組はみんなOK。
その人の立場に立つと「わかるな」と思った。
ので、残ったメンバーだけで別の企画にした。それが面白く、かつ新しい発見もあった。
チームのリーダーが「早く決断する」というのも大事。


亀田さん トライする。
トライが失敗してエラーになった場合、すばやく切り替えるのも大事。
どんどんズルズルはまらないように。
チーム作りで重要視してるのは、ファーストトライして、極力無駄な道を歩かせない、という点に気をつけている。
茨の道が経験になればいいけど、そこに例えば映画の主題歌を作る場合は、映画製作側の意図も入る。
リーダーとして大事なのは、「始末書物の失敗をしました」とリーダーがはやめに認めて、修正すること。
まず「謝れる空気」が大事。


10-FEETのTAKUMAさんが言ういいこと「ありがとうとごめんなさいでここまで来ました。」
→謙虚さ、良いファンが良いファンを増やし続ける。
「ありがとうとごめんなさい」がすごく大事なキーワード。


KITEさん お互いがいい関係性を保つ。のは本当に大事。
ただ、常にフレッシュなイイものを作り続けるために、ぶつかることがある。
それでも「一回やってみよう」が大事。
ぼくらはいろいろトライアンドエラーして、再度スタートに戻ってみることをする。
また、全く違う発想・真逆の発想から選択肢を増やすこともある。
最終的にみんなが納得できるようにする。
そのつどつどでベストをみんなで探す。
音楽はどうやってゼロから新しいものを作りますか?


亀田さん ダンスと音楽は共通項があると思う。
「なぜこの曲を始めたのか」という原点に戻るのが大事。
「初期衝動にまさるものはない」こういう曲、こういうサウンドにしたい。
人生のいろいろなかけらからその初期衝動が生まれている。
初期衝動はひらめきではなく、人やチームのバックグラウンドが初期衝動を生む。
そこを間違えないようにする。
また、いろんな人の意見が出て衝突する。クライアントとアーティストとか。
最後は今なっている音楽を聞こう。
振り切ったほうがいい場合もあるけど、僕は「両方の意見のど真ん中を取る。両方の重なるところ。」


初期衝動も大事だったけど、クライアントの言うことも入れていいものが生まれた、
ということがある。
両サイドのいいところを取るのが大事。


梶さん ベストはたくさんある。だからどれを言ってもいい。
企画を考える際にきっかけがないとダメ。
そのきっかけの一つが「制約」だったりする。
制約があるとありがたいと思うときさえある。
「スポンサーがこう言ってます」みたいな。
そうすると新しい要素が入ってきて、自分の引き出しにないものが入って、次回からもその引き出しも使えたりする。
否定されるのもありがたいなー、と思う。


KITEさん ポップってダンスの歴史があって、新しすぎるとポップじゃなくなってしまう。
枠から飛び出しすぎないといけない。伝統を守りつつ、枠ギリギリから出ない。
枠が制約。


亀田さん 音楽だと何十年も前からある名曲。そこは共通項として持てる。
キレッキレで攻めてるアーティストが紅白みてとても感動して涙出ちゃった、ということもある。
「こいつ紅白見るんだ!」と思ったりする。
意外とお茶の間発のものを最新の人が聞いてたりする。
「行き過ぎちゃったかな?」と思った人がいたら、「でもこれ、いけんじゃね?」といえる人が必要。それがチームリーダー。


KITEさん テレビの場合はどうですか?
梶さん 番組が終わるのが一番よくない。バラエティが打ち切りにならないのが大事。
「この番組ってこうだよね」と飽きられてはいけない。
いろんな球を投げて、人によって違うことを思っている。
アメトークが飽きられてないのは幅を広く取ってるから。


「今、ない番組ってないかな?」と思いながら次を考えている。
知名度低い若手ばっかりシモネタ番組も作る。数字が上がらないかもしれないけど
「これで行くんだ」と伝えるのが大事。
なぜそれをやるのか、理論武装をしっかりしてやる、というのを心がけている。
味方、仲間が多いほうがいい。
番組はチームでしか作れない。100人くらいの人がいる。
営業、管理など社内スタッフもいる。
「守ってくれる人が何人いるか」も大事。
反対派が増えてはなにもできなくなる。「ありがとうとごめんなさい」が大事。




KITEさん 同じ方向見てる人が多いほうがいいものが作れる。
亀田さん 賛同者、応援者を増やすの大事。
しかもカラーがいろいろ混じり合って、いろんな色のグラデーションあって、
面白いくらい輪が広がって、イベントやフェスが成功する。
チームの外にもチームがある、というのが大事。


KITEさん でも、いい方向にすすむばっかりじゃないですよね?
思ってたのと違う反応が返ってきたり。
そんな時、僕はスーパーマリオ状態と呼んでいる。


チームメンバーには凹んでしまう人もいる。
僕はブレずに「これでいいんだ。タイミングが違っただけ。自信持っていこうよ」
というリーダーとしての軸は持っている。心はグラグラするけど。
ここで僕が折れたらかっこわるいな。と思ってる。


梶さん 失敗した時どういうスタンスでどういう言い訳とかしてるかな、というのを聞きたかった。
KITEさん 強気でいく。ダンスシーンは流れが早いので、ひとり旗をもって立ってる人がいないと、みんながついてこれない。
自分がひとり旗を持って立ってようとしてる。


亀田さん あいてててのとき、打席数たくさんたって年間何十曲もプロデュースしてる。
ので、残念な結果の曲のほうが多い。打席数が多いので負けてる部分がぼやけてる。
でもそれでもこれだけ打ってる。みたいなことで信頼されている状況がある。
自分から「無理だ」と言わない。一作二作うまくいかない。でも三作目がんばる。
そして自分から「結果出せなかった、おります。」とは言わない。
一度タッグを組んだら必ずロッカールームまでいっしょにいる監督でありたい。それで結果を出したい。


「やめちまえ!」「やめてやる!」みたいなことを一度もしたことがない。
「このチームといっしょにやりたい」という空気が生まれる。
チームとして自分たちから白旗をあげずに、立ち続けるようにしている。


梶さん テレビは毎週毎週結果が出る。ケースバイケースだけど、
視聴率という結果があるけど、視聴率が低いから「だめだった」ではなく、
その理由を考える。結果からの判断・分析ではなく、結果はただの「考えるきっかけ」。
結果が悪いよりも結果が悪いのを食らって立ってられないということが無いようにしている。
結果はいいけど良くない要素がある時もある。
(もちろん上にはしっかり謝ってる)


KITEさん リーダーが常に先頭に立つ
亀田さん リーダーがぶれた時は周りはわかってる。
コロッと変わっちゃうのは絶対ダメ。メンバーがついてこない。
制作をする仲間たちがバラバラになる。


リーダーはこどくだよね。


梶さん だから僕は社内とか関係者で話せる人が多くいるようにしてます。


KITEさん 優勝経験も多いと、周りから「完璧なやつ」と思わせるけど、
わざとダメなやつの部分も見せていく。ボウリングでガーター出したり。
若手からするとそれがないと距離ができてしまう。


梶さん 仕事の核の部分では負けず、仕事以外で負け顔を持つ。
芸人さんは負け顔を持ってないと、まわりからいじりにくい。
負け顔があるといじってくれる。負け顔があると助けてもらえる。


亀田さん だめな部分めちゃ出します。
「永遠の中御所」と言ってる
・怒って帰らない
・時間を守る
・自分からやらない


梶さん 僕も中御所。自分が片付けをしたりする。



色紙
KITEさん アルデンテでいろ
パスタの茹で方。中に芯が残ってるくらい。軸の持ち方。へなへなするときもあるけど、軸は忘れずに。ここぞというときにはしっかり軸を持ったまま。


亀田さん しなやかであれ
自分の思いや相手の思いを貫くのも大事だけど、相手の心、思いを受け入れ。柳のように。風に吹かれるけど絶対に倒れない。川に浸かってる葉も腐らない。
最終的に自分もチームも幸せに。チームの外のみんなも幸せに。しなやかに。


梶さん 「自分に合ったやり方で」「1つ頼まれたら2つやる」
結局自分に合ったやり方じゃないと
1つ目は相手がやってって言ったこと。もう一つは自分で考えて付け加える。