うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

UPDATA!WingArc Forum2019 企業のWorkStoryから見る働き方改革の現実(リアル) #WAF2019 #UPDATA

登壇者

一般社団法人at Will Work 代表理事
 Plug and Play Japan株式会社 執行役員 CMO 藤本 あゆみ氏


ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
取締役 人事総務本部長 島田 由香 氏


株式会社ワンキャリア
最高戦略責任者/作家 北野 唯我 氏

紹介

司会 藤本さん
島田さん:人事をずっとやってる。組織内外関係なく、みんなが笑顔で生きられる社会をつくりたい。世界平和を実現したい。
北野さん:社長で作家。働く人達が生産性高くイキイキと働けたらと思っている。
お二人はat Will Workのアワードの審査員でもある。

アワードについて

世の中にある色々なアワードがあるが、
「社会の、働き方の良い事例」のストーリーが見えるようなアワードが
at Will Workの「Wrok Story Award」今年3年め。
毎年20こずつ、5年間で100個のストーリーを集める予定。


「あれもできていない、これもできていない」という話はやめて、
ポジティブな気持ちになれる話をしよう


今年のは12月に発表になるが、
リモートワーク含め、ワークスタイルの話は増えてきた。
マネジメントだけ、テクノロジーだけ、というのは少ない。
スタイルや制度や教育制度等が多い。

透明化、というキーワード

北野さん:今年は「透明化」がトレンドかと思っている。「情報の透明化」とか
ワンキャリアではジョブマッチングの透明化に取り組んでいる。


成毛眞さんが「防災ではなく減災しよう」と言っている。
HRマーケットも同じだと思っている。
完全にミスマッチをなくすのではなく、減災がしたいとかんがえている。


藤本さん:島田さんはHRの責任者をされてますが


島田さん:最初のころは働き方、ワークスタイルといった制度に目が向いている人が多かったけど
「それによって何を成し遂げたいか」という点にフォーカスする人が増えている。
なにをした、ではなく、ストーリー、感情がないと定着しない。


どの会社もそうだと思うけど、外から見るのと内部にいるのでは違う。
人は「印象」で判断するが、外からのイメージで判断するとかなり違う。
そこが不満につながったりする。


藤本さん:企業内カオスはどの会社にもある。そこのコミュニケーションを丁寧にやるのが大事。


島田さん:「透明性」というのはいい言葉。あるいは「オーセンティック」
弱い部分も見せられる。やましい気持ちや良くない気持ちを外に出さないのはよくない。
できてるのがどこで、できてないのがどこなのか。


北野さん:島田さんそこが大事だと思ってた理由は?


島田さん:誰でも持ってるニーズ
・いいことしたい。貢献したい。→いろいろな理由で本当の声が出せてない


北野さん:次の本のタイトルが「オープネス」
「風通しの良さ」が大事。
オープンアークのデータ、8~10項目あるうち、
日本の会社で低いのは?「待遇」とかではない。
「人材の長期育成」という項目が日本の会社では0.4%しか満足していない。
その0.4%に入るのはトヨタとか。
人々の期待値が高すぎるのではないか?

長期的成長

「うちの会社はもっと長い目で育ててくれたらいいのに」と人は言うけれど、
そんな会社はない。
家族は20年30年と付き合うが、会社はそうではない場合が多い


藤本さん:会社の制度自体が変わっている。トヨタさんはもともと長期働いてもらう会社。


島田さん:「期待」という言葉は重い。プレッシャーになるし、評価されることになる。
「願い」とか「祈り」と言う言葉を使うのが好き。
「期待」が過度なオーバーワークにつながる。
働い方改革でいろいろなことが変わり始めてる。
「会社」という生き物はいない。文句を言う社員ひとりひとりの集合体だから、
自分たちから提案して変えていけばいい
→言えない、できない、という人は多いが、変わっていくべきだし変わり始めている。

改善の体制

藤本さん:3年前にアワードを始めたときは、人事部主導が多かったが、WG主導ではじめたり、
「やりたい人がやる」というのが増えてきた。


島田さん:「やりたい人がやるしかありません!」色んな会社がそうじゃないやり方でやっているが
「はぁ?」って感じ。
「これやりたい、これやりたくない」と言うべき。
有志で思っていることをどんどん発言しよう。
それがみんなを元気付ける


藤本さん:とはいえ、社員一人ひとりが好きなことやりはじめたら、会社がうまく回らないのでは?


島田さん:そんなのは思い込み。「それ思い込みだから」と言う。
それでも納得しないのも知ってる。だけどあえて言うなら、
まず「やったこともないでしょ?」やってない未来をあんじているのは時間とエネルギーの無駄。
ユニリーバのWAAの事例を言う。でも働く時間は決めてね、と。
信頼してやった結果生産性3割向上。社員がポジティブに。7割の社員が生産性が上がったと感じている。


藤本さん:やってみないとわからないこと多いですよね。
しかもやって「損害1億」みたいなことにはならない。
ちゃんとチェックポイントを設けて。


島田さん:人生「やってないこと」のほうがはるかに多い。
やる前から失敗したらどうしようとか思う構造が意味わからない。
むしろ「うまくいったらどうしよう」を考える

居場所と役割

北野さん:人には居場所と役割が大事。
「福井モデル」福井県は中国からの価格競争に負けたが
どうやってV字回復したかというと、居場所と役割。
トラディショナルな会社は居場所と役割を奪う。と、負のスパイラルに入る。
例えばチーム全員にあなたの目的、半年一年後に「こういう感じになったらいいよね」という話をする。
=役割を伝える。


他の人にはめんどくさくないかと言われるが、
それぐらいしないと、その人の好きなことと事業の方向性が合わない。
3人子供がいたら全員バラバラ。画一的なマネジメントでは無理。
強いを信じる。いいところを伸ばしてくれ、と言う。
一人ひとり設計する。
これを千人くらいまでやりたい。


偏向性があると思う。
おれの役割は君を出世させ給料を上げること、
そしてそれを下のメンバーにもやってくれ。


これはめっちゃめんどくさいけど、
ニューズピックスに出たときにデータ分析をする、
編集者に言うのは、「〇〇くんの名前を記事の中に出してくれ」
彼は辞めるかもしれないけど、彼に実績が残せる。


藤本さん:長期の人材育成がほしい、というのと、この話はそれと同じなのかも。
社会人としての3年間が、その後、長期のキャリアにつながる。


島田さん:「長期」というのは、在籍期間ではなく、人生の上での話かな、と思う。


北野さん:下のメンバーがやめたいという。上は困ると言う、僕は
「その人が今の場所にいたほうがいいか、出ていったほうがいいか、真剣に考えてるか」という


島田さん:私は「リストラ」も同じことだと思ってる。
その人がどこにいることが幸せなのか。評価とか関係なく。
その人の強みをいかに活かして、幸せになれるかでキャリアを選べるのには大賛成。
社内でもそんな相談を受ける。長期的な成長のために、こんな経験を社内ではさせてあげられないなら、転職すべき。


藤本さん:今の会社で輝けるならそうする。外に行ったほうが輝くならそうする。

大事にすることとデータ

北野さん:
1つが職場の空気を大事にする。みんなそう思ってるけど、それが業績に影響するか言い切れるか。
→データがあることで、それが業績に影響すると言い切れるようになった。


島田さん:データで見えるというのは本当に大事。
データの良さは数多ある。
社員一人ひとりの幸せを感じてる度合いはパフォーマンスに影響する。
というのは研究結果で出てる。ポジティブ心理学
ポジティブは前頭葉に作用し、パフォーマンスが上がる。
組織のリーダーがそれがわからない。現場はわかってるからかわる。


こういうデータのこと本当にそうなんですよ、というのを12月14,15日にイベントをやる中で伝えられると思う。。
いっぱいワークをやりながら、右脳左脳、西洋東洋、KPI、感覚をあわせた話をする場を作る。


タル(タル・ベン・シャハー博士)は優秀な学生だった。文武両道が幸せ。ハーバードでいい成績を取りスポーツもがんばっていたが
なんか幸せじゃねぇな、と思った。
「なんで満たされてないんだろう」
→テクノロジー専攻から哲学・心理学に移った。


藤本さん:データドリブンだけ、とか、文武両道が答えになるよりも、
曖昧なところにいったから幸せになったのかも。



島田さん:「満たされないこの気持ち」を解明する学問に行き、
ポジティブ心理学にであう。
PERMAと言う言葉。頭文字5文字。
を感じている人は、寿命長い、健康、レジリエンス強い
ポジティブ、エンゲージメント(主体的)、リレーションシップ(人間関係)、ミーニング(意味付け)、アコンプリッシュメント(アチーブメント=達成ではない)
ウェルビーイング
これらは全部データで説明ができる。


藤本さん:データって、読み方によって見方が変わる。
「幸せ」はこの3人だけでも全然違う。


たとえば北野さんの「白いTシャツ」


北野さん:エンゲージメントスコアを測ってる。
組織とは解釈。
「うちの会社はさー」「うちの会社って〇〇だよね」みたいなときに
「うちの会社って誰のこと?」と僕は聞く。
会社ではなく、個人個人。そのチーム?事業部?一部の話が全体の話にすりかわったりする。


「会社というモンスターはいない」(青野さん談)


声に出すことの大事さ

みんな自分のチームに誇りを持っている。
営業も製造も。
これをデータで見ると、実体が見える。こっちはここが高い、こっちはここが高い。
「なんとなくの不満大会」で終わらせてはいけない。


「言わなきゃわからない」という姿勢で全体を設定しないといけない。
意見を言わなくてもわかりあえる、ということはない。
全員に毎回言う。


島田さん:「阿吽の呼吸」なんてない。それは言い合いをしまくった上でないと手に入らない。
衝突のはてにあるもの。


心理的安全性はここでならなんでも言えると思っているか。
「みんなが言ってる」「みんながそうだ」ではたどり着けない・


北野さん:人々に自分の将来はポジティブか、大丈夫か、と聞いたら
統計的に「3つなにかを持ってる人」がポジティブらしい。
仕事、家庭、なにか趣味。のような。
しかもバランスが取れてる人。


島田さん:よくわかる。
会社以外のコミュニティを持ってるかが大きい。
「居場所」の話にもつながる。
長期的な人材育成に対する不満がある、自分の成長・発展にはみんな前向きなはず。
同時に複業が増え始めている。自分のキャリアをどう作っていくか。
プロティアンキャリアという言葉がある。


ギリシャの神様プロティウス。何にでも変身できる。
「私は経理経理一筋」もいいけど、自分が持っているものをどんどん試すのも良い。
会社・組織はそれをサポートする。というのもいいのではないか。


藤本さん:これからそいういうのがさらに増える。
5年目になったら、またみなさんに共有したいと思います。


最後に一言ずつお願いします。


島田さん:働き方、ダイバーシティ、リーダーシップ。いろいろあるけど原点は一つ。
「あなたは自分のことを知っていますか?」という問いかけ。
何が好き、何が嫌い。何をしてると幸せか。を知ってる人は強い


北野さん:理想論と思うかもしれないけど、ビジネスリーダーが理想に近づけようとしない限りなにもかわらない。
ちょっとでもよくできたらと思う。
本が来週出るので、よろしくお願いします。