2022年12月19日に、セゾン情報システムズのオウンドメディア「Color is」のイベントで、
澤円さんの登壇を見てメモを取ってましたので、
ここに載せておきます。
※掲載にあたり内容を見直しておりますが、個人のメモを元にしていますのでマチガイ等あるかもしれません
気づかれた方はコメント欄やSNS等でお伝えいただけると助かります。
澤さんの自己紹介
いろんな会社の業務委託でいろいろなお仕事をしている。エヴァンジェリストとしての活動や、最近だとvoicy なども。
Madoka Sawa / 澤 円 (@madoka510) / Twitter
Voicyはこちら。
Madoka Sawa「澤円の深夜の福音ラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
タグ
#テクノロジー全般
#サーバセキュリティ
#ビジネスマネジメント
#プレゼンテーション
#コミュニケ―ション
#マネジメント
#多拠点生活
などなど
世界にリセットがかかった話
COVID-19により世界にリセットがかかった
…25年ぶりのリセットと思っています
25年前のリセットとは?
1995のインターネット登場
リセットは「世界同時」に起きて「世界が変わった」
インターネットは世界を変えた
COVID-19もそのくらいのインパクトがあった
・移動が自由にできない世界になった
・人類に残された道は「データ&通信」
在宅の浸透
2020年がリモートワーク元年だった
・澤さん自身は2008年くらいからリモートワークをしていたので、
社内で「はぐれメタルスライム」(社内にいるのがとても珍しかったので)と言われていた
・COVID-19により 「会社にいることと仕事をすることが切り離された」
・デジタルは人類のインフラになり、ECサイトの利用も増えた
データについて
COVID-19以降ECサイトの利用がさらに加速した
「人は『コンテンツ』を買っている」と言える
人は、ECサイトで買い物をしているわけではなく、
購入した証拠の画面とメールが届くだけ
物が届くのは後からなのに、
ECサイトやそれを取り巻く仕組みが信頼されているので成り立っている
新しいレストランを見つけたら?いきなり入らずまず検索しますよね?
人類はデータを信じる生き物になった
だからECサイトにクレカ情報を入れる
だからレストランに入る前に検索する
・映画「イージーライダー」のセリフ
「地球にはすでに宇宙人がたくさんいる」
「彼らは、社会が進んでいて、戦争も通貨制度もない」
「指導者はいない。全員が指導者だ」
「高度なテクノロジーのおかげで、日常生活は競争なしで満たされている」
イージーライダー公開当時、1960年台のアメリカは疲れていた
ベトナム戦争からヒッピームーブメント
「愛と平和」「自由」
→その後のシリコンバレーが隆盛し、人々はテクノロジーを信じた。
アポロ計画に必要だったものは?
シミュレーションだった
「データが信用できなければロケットを飛ばすことはできなかった」
コンピュータはまだ処理能力が低く、人も計算した
適当に飛ばしたら火星に行った、では済まない世界
月に行ったアポロ11、どうにか帰ったアポロ13
→これはデジタルツインの原型と言える
実態とデータが同時に存在する
F1のピット内を見学したことがある、分析チームはイギリスにいて、車体や環境の情報をリアルタイムに分析している
「このままのペースでは最後までもたない」というのはリアルタイムに分析されている
14.9倍、という数字がある
これは、2012年から10年間でのデータ増加量
フロッピーディスクの容量はは1.4MBだった
2020年、人間は毎秒1.7MBのデータを生み出していたし、これからも増える
データになっていないとこの世に存在しないも同然
今やマサイ族も携帯を使いながら狩りをしている
WEB3.0,個の時代 NFT、DAO、メタバース
人類の経済エコシステムの発展
金本位制→国家信用本位制→技術信用本位制(ブロックチェーン)
と考えている
ブロックチェーン技術はデータを信じる世界のインフラ
DXってなんだろう?
・DXは業務の効率化のことではない(それはデジタライゼーション)
・事業そのもののデジタル化がDX
DX人材とは?
「デジタルネイティブ」とは限らない
(強い候補ではあるけど)
デジタルネイティブは「デジタルでないと耐えられない人たち」と言ってもいい
経営の三層構造を考えてみましょう
・社会貢献=経営者視点 (社会貢献せずに金儲けしたら?それは犯罪になりますね)
・仕組み化・運用=マネージャー視点
・タスク運営=現場視点
経営者は全体像が見えている
マネージャーは内部構造が見えている
一般社員は「解像度が最も高い世界」が見えている
例)
ビジネスがスポーツカーなら?
・社会貢献:スポーティーに走れる
「走る曲がる止まる」と「安全」
コーナーでのグリップ、パワフルな加速etc
ビジネスがトラックなら?
・社会貢献:多くの荷物を運ぶ
「走る曲がる止まる」と「安全」
最大積載量、加速、耐久性、操作の容易さ
「走る曲がる止まる」と「安全」の部分はどちらも変わらないが、
社会貢献の目的や、詳細な部分が異なる。
「荷物が大量に乗るスポーツカー」も「時速300㎞のトラック」もいらないよね?
それぞれが見ている世界に「興味」を持ちましょう
社会貢献的なミッションは「きれいごと」に見えるが、
「きれいごと」を本気でやる人が強い。
「きれいごと」すなわち「ミッション」であり、
ミッション達成のためにデジタルを使おうとする人が"DX人材"
GAFAやマイクロソフトは強い
なんで強いかというと、末端まできれいごとを本気でやろうとしているから
きれいごとにコミットできていない人はパフォーマンスを発揮できない
閑話休題:格闘技で最も大事なことはなんだと思いますか?
「知っていること」です
自分ができること、自分ができないこと
相手ができること、相手ができないこと
を知っていると強い
ちなみに、人体は右脇腹が弱いので左手で右わき腹をパンチしましょう。すごく嫌われます。
肝臓が衝撃を受けて動けなくなる
DX人材的な仕事の仕方
自分にできないなら、誰かに助けてもらいましょう
DX人材は
できることを進める
できないこと、人に頼るべき時は頼れる
コミュニケーションを使ってできないことも実現できる
デジタルを活用する
それはすなわち仕事ができる人
顧客のニーズについて
amazonのミッションは、地球上でもっともお客様を大切にする企業であること、です
顧客のニーズを分析するためにはどうしたらいいでしょう?
自動車メーカーのFordは「もし彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」という言葉を残している。
顧客の本当のニーズを知るには観察と言語化が必要
速い馬ではなく、自動車を作れるかどうかは「仮説」があったから。
そのためには「デジタルを使った仮説を妄想しましょう」。
事例ばかり求める経営者はイノベーションの邪魔になる
おもしろくない
進んでファーストペンギンになりましょう
フェールファスト、早めに失敗しましょう
という話を経営者の方にはしている
イノベーションのためには「抜擢人事」を進めるのもよい
現場には「アイディア」がある
組織には「仕組み」がある
組み合わせて引き上げるのが良い
イノベーションを進めることの阻害要因と対応方法
「べき」と「難しい」を言わないようにしましょう
言い換えをすることで、前に進めるようになる
「べき」ではなく「私はこう思う」と言うことで排他的にならない
「難しい」ではなく「どうすればできる?」と言うことで、議論や思考が継続する。完了しない。
コミュニケーションの際に「なんで?」と問い詰めないようにしよう
「なにがあった?」と問いかけると、「何」に対する回答を考えられる
「どうやったら助けられる?」と聞くようにしましょう。
人はミスをするのが前提
マネージャーの仕事は先回りして道を掃除すること
マネージャーはメンバーと競争しないようにする
マネージャーの仕事は1on1すること、できない理由を探さないようにする
Web3はまだ確立されていないので、できない理由はいくらでもある
どうやったらできるか考えよう
「人間は否定形を処理できない」という話がある
わかりやすいので試してみましょう
「猫を想像しないでください」
→脳内が猫だらけになる
イノベーションのための発想方法
「私はこう思う」をどんどん発信する/させる
発言の際に解像度を上げる習慣をつける
「私は」「あなたは」で会話しよう
「会社は」「チームは」「弊社は」ではなく
「私は」「あなたは」という主語で。
Microsoftでは「We」と言ったら「Who?」と言われた
全員か個人か、誰が言っているのかをはっきりさせた方が良い。
「私」なら「私」
「コア業務」「ノンコア業務」を区別する
コア業務=ミッション達成のための仕事
ノンコア業務=仕事のための仕事(例えば報告書作成)
ノンコア業務はパッケージソフトをそのまま活用すればよい
そのためには、組織やビジネスプロセスをソフトウェアに合わせてもいい
「うちの会社は特別だから病」にかかってはいけない
データは直接見る文化が重要
数字は最強
事実とそうでないものを分けよう
「運用でカバー」は悪魔の言葉
ちゃんとしようとすると時間がかかるなら、やめることを決めましょう
「意味の薄い移動」をやめましょう
時間は貸し借りするもの
時間は増やせない
一人限り一生は一回
もし2回目の人がいたら教えてください
PDCAのPを最小にし、DCA、特にDoしましょう
イノベーションとは「新結合」と日本語では書かれます。
例)UberEarts:街の飲食店、スマホ、移動手段を組み合わせたもの
10万円のシャツを買ったとしても、
シャツだけでは外を歩けない
おしゃれな人は組み合わせがうまい
「知識」「経験」に「冒険心」が必要
ここから学ぶことがある
磨くのは「スキル」よりも「センス」
センスはアウトプットしないと磨かれない
センスは自分から発信することで磨かれる
人の発信をポジティブに評価する
視力検査で使う「円環が欠けている図」の、
かけている部分は説明できるが、丸い部分をどう説明するか
太さ?半径?
欠けている部分の説明はできるが、円環の側は説明しにくい
「世界を動かそうと思ったらまず自分を動かせ」と言ったのはソクラテス
自分がまずは動きましょう
法律さえ守ってればあとはなんでもいい
この世は選択肢に満ちている
とはいえ、選択肢が多すぎて悩むこともある
思考のトレーニングをしましょう
イノベーティブな仕事の進め方
例えば荷造り
旅行には何が必要か、よりも、旅先で何をしようか
を考えて必要なものを用意するのが上手な人
「自分ができることに集中する」
のが大事
コントロール可能/不可能、重要度高/低のマトリクスを書こう
コントロールできて重要なことはやる
コントロールできて重要ではないことはあとでやる
コントロールできなくて重要なことはコミュニケ―ションの力で解決しよう
コントロールできないし重要なことはやらなくてもいい
コントロールできず、重要なことはじっくり観察し、必要なら助けて!とも言おう
amazonやNetflixは最初は狭い事務所でたいへんな苦労をした
起業家が答えないといけない質問「Why You?」というのがある
「情熱」をパワーにしよう
Q&A
Q1.澤さんの「個人力」を愛読しています、発信が大事だというお話がありましたが
コロナ禍で出社が少ないこともあり、一緒に働いている人が何を考えているかわからない状況があります
自分から進んで発信することはできるのですが、
発信してもらう、引き出すためにはなにができるでしょうか
→他人が何を考えているかはわかりません
ただ、相手の発言を引き出すためには
まずその人が好きになることは何か知ることです、
そこに向けて発信する
そして、ポジティブフィードバックをしっかりすることです
ミッションをわかちあいましょう
世界はコミュニティ化していきます。Week tiedという言葉もある。
キャンプに行かれる方、いますか?
キャンプの時に「私火おこしします」という人と
「私火おこしししかしません」という人ではまったく違う
火おこしして水くみもしましょう
Q2.2008年からテレワークを実践されているとのこと
上の人が出てくるから出社が多いのですが、
なにかテレワークを進めるにはどうしたら良いでしょうか
→会社に行くのを止めましょう
私(澤さん)自身はクラウドのツールの会社だったこともあり、
自分が出社しなくても仕事ができる、ということを証明したかったのもある
会社に行くことと結果には相関関係がない、というのをまずは理解し、理解してもらいましょう
Q3.センスのある着こなし、組み合わせを見つけるにはどうしたらよいでしょうか
→これは概念的なお話?具体的なお話でしょうか
センスのある着こなしのためには、お手本見つけて、試してみて、自分を観察しましょう
体のつくりがお手本と違いすぎると失敗します
あとは色々フィードバックを受けましょう
時にプロの手を借りるのも良いでしょう
Q4.自分では考えないイエスマンを自分で考える人に変えるには?
→それは、無理です
自分を変えることはできますが、他人を変えることはできません
できることがあるとしたら、天照大神のいる天岩戸の前で歌い踊るように
周囲で歌い踊りうらやましがらせましょう
周りの人がみんな自分で考える人なら、考えない人は危機感を持つはず
厳しい評価するのも手です
何をもって評価するかを明確にする
みなさん子供のころ「勉強しなさい」と言われて余計にやる気がなくなったことがあるのでは?
「自分で考えろ」と言うだけでは変わりません
Q5.抽象的な質問ですが、これまで苦労したことはありますか?
→できないことを自分でやろうとしたときは苦労しました
例えば道を覚えられない
なので道案内を頼むか、タクシーに乗るようにしています
また、計算がニガテです。、
自分の会社の数字を桁レベルで間違えてしまう。なので得意な人に頼むようにしています。
Q6.顧客のニーズの分析・言語化が大事というお話がありましたが、難しいと感じています
→難しいと言っちゃいけないって言ったでしょうw
「あなたはどんな世界だと幸せですか?」と聞くのが良いと思います
相手が考えるとヒントや答えが出てくるので、会話しましょう
また「何食べたい」という質問をすると、「なんでもいい」という答えが帰ってきます
「何がイイ?」ではなく「濃いのと薄いのどっちがいい?」「和、中、洋どれがいい」など
選択肢を持たせると、話しやすくなります
ここまでが澤さんのお話のメモです。
以下、プレゼン技術というか、澤さんのお話で印象的だった点
・自分にタグ付けしてどういう人かわかってもらう、セルフプロデュースの上手さ
・映画や偉人の言葉の引用による権威の活用
・「覚えて広めてください」
「考えてみてください」
「手を上げてください」
「どんどん発信しましょう」
のような行動を促すワードにより、聞いた人の変容を促す
・ユーモアの使い方。常識を裏切る話をしてハッとさせる
・印象的な写真を使う
・実際に見たものや、自分で撮った写真も時に使い、説得力を増す