うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

モンテッソーリ教育って何?とか、それについて保育園の懇談会で聞いた話とか。

うちの次男が保育園に通ってるんですが、
そこが「モンテッソーリ教育」というのを掲げていて、
そこの保育園をやってる法人の偉い人(園長先生の先生みたいな人)の話を聞けたので、
wikipediaなんかも参考にしつつ、ここにメモ。

モンテッソーリって、何の名前?

むかーしむかし、今から150年前くらい前。
イタリアの国のあるところに一人の赤ちゃんが生まれました。
名前は「マリア・モンテッソーリ」です。
この人の名前から「モンテッソーリ教育」って名前になるわけだね。


マリアはとってもがんばって、
ローマ大学の医学部に、女性としてはじめて入学します。
当時は女性の地位が低くて、差別を受けつつも勉強を続けました。
なんか男子といっしょに解剖させてもらえなかったりしたらしいよ。


そして1986年に、イタリア人女性で初めて医学博士号を取ります。



知的障害者マリア・モンテッソーリ

卒業してからも差別は続き、
マリアはローマ大学付属の精神病院でやっと仕事を見つけて働き始めます。
でも、当時の精神病院はそりゃもうひどくて、
患者さんたちは鉄格子のある暗い部屋でたいした治療も受けずに暮らしていました。


当時、知的障害がある人たちは、
何を教えても何をさせても知能が発達しない。と思われていました。
でも、マリアはそんな人たちが、指先を使って熱心に遊んでいる姿を見て、
観察をしつづけます。


その観察の中で
「感覚を使うと
 知能が改善するのでは?」
という気づきを得るんです。


そして、指先を使うようなおもちゃをどんどん渡して、
彼らの知能が向上していくのを確信したんです。
そうやって学んだこどもたちは、
実際に知能テストを受けても高い点を取ったそうです
(知的障害がない子よりも高得点だったりもあったそうな)

貧困家庭のこどもたちとマリア・モンテッソーリ

今度は貧困家庭のこどもたちへの教育にこの方法を応用します。
なんの教育も受けられなかったようなこどもたち。
文字もわからないこどもたち。
手や指先を使うことで、知能を伸ばし、
文字が読めるようになっていく。
性格的にも、意味なく荒れることがなくなったそうです。


この知能の伸ばし方が世界中にひろがっていって、
マリア誕生から150年後の日本の保育園でもそんな教育が受けられるわけですね。
文字を覚えるのも2年くらい早くなるらしい。


あと、amazonジェフ・ベゾスとか、
googleラリー・ペイジとかセルゲイ・ブリンとかも、
モンテッソーリ教育を受けた人たちなんですって。
へー。

すげーなー、と思うポイント

まず、指先を使うことが知能の発達につながる、
ってのがもうすごくない?
新しい楽器を練習するとボケない、みたいな話や、
「知育玩具」とかって言葉も最近ではふつーだけども。


あと、ストーリー的にね
「当時社会的弱者だったイタリア初の女性医師が、
 当時社会的弱者であった知的障害者や、
 当時社会的弱者であった貧困家庭のこどもたちを救って、
 しかもそれが世界中に広がる」
というのがもう。
もうすげーすげーなー。と思うんです。
すげーよね。


なんというか、
これが男性医師でふつうに医者として一生を終えてたら
この発見はなかったと思うんですよ。

保育園で聞いたこと

子育てをする上で「安心、安全」の次に、
感覚を磨くことを意識してあげてほしい。
ということでした。


たとえば、「プラスチックの落ちても壊れないコップ」じゃなくて、
「落ちたら壊れる本物のガラスのコップ」を使わせてあげる。
落ちたら壊れるからこそ、丁寧に扱うことを覚える。
丁寧に扱うから感覚が育つ。知能が育つ。
手と脳は連動しているので、それを大事にする。


おともだちとケンカになっても、
すぐ止めるよりそこから何を学んで、
次にどうするかを考える。
「聞く脳→考える脳→行動する脳」
を育んであげること
(「インプット→処理→アウトプット」みたいな話だね)


そして、人を信じることができる人になるために、
まずは親を信頼できるようにしてあげる。


1日10分でいいから
「私はあなたのためにここにいるよ」
ということを伝えてあげる。


親を信じられるこどもは、
その次に、近くの人を信じられるようになる。
だんだん信じられる人が増えていく。

質問タイムのQ&A

Q1.「ほめるのと怒るの、どっちが大事ですか?」
A1.「下心なくほめるのが大事です。」

怒るのはあんまり意味がない。
「聞く脳」が育っていないので、
怒られてもほとんど理解ができない。
理解ができないから、考える脳が働かないし、
行動することもできない。


怒りたい場面では、カッカせずに、
なぜその怒りたくなる行動をしたのか、
まずその「気持ち」を受け止める。
そして心がこっちを向いたところで、
理由を問いかける。


そして、
「こうやってほめたら次につながるかな?」
という、下心のあるほめ方はよくない。
その下心が伝わって、
「またああやってほめられるために行動しよう」という
発想につながってしまうから。


こどもがやったことを
「本当にすごいことをやった」
「以前はできなかったことができて本当に素晴らしい」
と、本心からほめてあげよう。


誰かが悪いことをしたときに気をつけるポイントは
行いと人を分けること。
「A君がとった」「A君がひっかいた」
という場合、悪いのは「とった」「ひっかいた」という行動であって、
A君が悪いわけではない。


もしかしたらA君は自分が遊んでいてとられたおもちゃを
「とられたから、とりかえした」のかもしれないし、
「なぐられたから、ひっかいた」のかもしれない。
こどもはその「とられたから」や「なぐられたから」の部分をすっ飛ばして、
「とられた」「ひっかかれた」と言っている場合もあるから気をつけよう。

Q2.「出かける前になって『ギャー!』っと泣き出してしまうのはどうしたらいいですか?」
A2.「その日その時どうにかするのはムリ。でも次回同じことにならないようにしよう。」

例えば、出かける前の「ギャー!」が1度あったら、
落ち着いてから
「この前でかけるちょっと前に『ギャー!』って泣いたじゃない?
 あれにはとっても困った。
 今度から10分前に泣いてくれない?」
と伝える。


そして、次回もし泣かなかったり、出かけるのに支障がないような状態だったら、
本気でほめてあげる。
協力してくれたことに感謝をする。
できなくても何度でもやる。
毎回やる。

Q3.「こどもがあさごはんを食べてくれないんです。」
A3.「生活のリズムを作ることと、続けること。」

これは本当に難しいことで、この日講演された先生のおまごさんも
好き嫌いがあったりちゃんと食べなかったりするらしい。


先生がまず確認したのは
「起きてすぐで朝ごはんを食べる状態になっていないということはないですか?」
「何時頃に寝て、何時頃に起きて、何時頃にあさごはんを食べますか?」
ということ。


そして、とにかく続けるしかない。
がんばっているあなたは素晴らしいので、
これからも続けてほしい。
あなたに敬意を表します。
というのが先生の答えだった。

まとめ

と、そんなこんなでまあ。
たまたま言った懇談会でいいお話が聞けたなー、
と思ったお父さんでした。


言われたとおりに全てのことができるか、
というと、そんなこともないかもしんないけど、
理想を持っておくことって大事だと思うんだよね。


そして、子育てでこれができれば、
他の人と接するときも違う行動ができると思うんだ。