うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

なつやすみどくしょかんそうぶん。項羽と劉邦をよんで。

すきまの時間でちょいちょいと
全12巻を読み終わりました。


超強いけど人望がまったくなくて敵を増やしてしまうツンデレ項羽さんと
強くはないけど人が集まるゆるふわ劉邦ちゃんが
みんなを巻き込んでてんやわんやのおおさわぎ☆ミ
「あいつったら!
 たいしたことないって思ってのに
 すごいみんなからチヤホヤされてるじゃないの!
 こんなことならさっさとつぶしておくんだったわ!
 なんで私はこんなに最強スペックなのに!
 あいつばっかりモテるのよ!ムキー!」
みたいな感じですおおよそ。




・人にやさしく
・集団を集団としてみないで、しっかり一人ひとりと向き合いましょう
・酒は飲んでも飲まれるな
・人の言うことを良く聞いて
・苦しい時もあきらめないで!
・補給はとっても大事
みたいなことを思うおはなしでした。


勝った方が素晴らしく描かれてるけど、
勝てば官軍てやつでしょ? 
結果だしてるから素晴らしい風に言われるんでしょ?とも思う。

補給の話がおもしろかった

現代の車で移動しても5時間とか10時間とかかかるような何百キロの道のりを
100万人くらいが数か月間戦える食べ物やら武器やら運び続けるんです。
せいぜい馬車しかない紀元前200年くらいにだよ。
すごい。
その指揮をとった人は武器を持って戦ったわけではないけど、
戦争後に第一の功労者として賞されたそうですよ。
そこだけプロジェクトエックスで取り上げてもいいと思う。
「その時プロジェクトは困難に直面していた…」な場面がかなりあったと思う。


それに対して負けた側は補給路を断たれて窮地に立たされる場面が何度も。
目の付けどころだね。

項羽強すぎ

盛ってあるにしても強すぎ。ニュータイプすぎ。殺しすぎ。冷血すぎ。
ジオン軍側から連邦の白い悪魔とかランボーを見るような強さです。
とにかく死なない。ケガもろくにしない。
向かい合った相手を倒しに倒しまくる。ゲームバランス悪すぎキャラ。
レベルが違いすぎるんです。
暗殺しようとする描写がないのはなんでなんだろ。そういう時代?


んで、この項羽様が何度も同じ手にかかっちゃうのが若干かわいい。
項羽様!深追いは危険です!」
項羽様!糧道を絶たれました!」
みたいなくだりを何回か繰り返しちゃうあたり、
ぼのぼののビーバーお母さんに何度も狩られるサカナみたい。
ツンデレ、かつ、うっかり。で、最強。


項羽様!お気を落ち着かせて!」
項羽様!伏兵がいるかもしれません!」
項羽様!あの者を登用しないのならば殺して下さい!」
項羽様!あの男は今殺しておかねば危険です!」
なんて言う部下の進言を聞かずに後悔するのも、かなりの回数に上る。
でも部下は死ぬけど本人死なないんだよねぇ。
死なないどころか囲まれても生き残る。
馬も自分も無傷。
拳王様と黒王号かよって。

それに対してゆるふわ劉邦ちゃん

ビッグになる前から
劉邦ちゃんが飲みに来てくれると他の客がいっぱいくるから
 劉邦ちゃんはタダでいいや。」
って言われるほどの愛されっぷり。


ビッグになってからも、
良くないことを言って部下にしかられると
その場で反省して、改めて部下の想像以上のことをやる。
 なんでみんな言うこと聞いてくれないの!
 →ご褒美少ないからじゃない?
  →そうか!じゃああの国とあの国のもの全部あげるわ!
   →ちょマジで!全力で頑張ります!
とかがざらにある。
一見ゆるく見えて実はすげードライに損得考えてたらすごいけど、
そんな様子はみじんも見せない劉邦ちゃん。
ゆるふわ猛禽ですよ。


あと部下がとにかく優秀。
項羽嫌われてっから真逆でいこうぜ」とか
「とりあえずここはヘコヘコしといて劉邦ちゃんあとで取り返せるから」とか
「ビビらなくてもあと三日で補給無くなって帰るからダイジョブ」とか
自信満々に言うの。んでその通りになる。

その後

この話自体は戦争が終わるところまで。
でも時間はその後も動いていって、
素直だったゆるふわ劉邦ちゃんはだんだん臆病になり、
活躍した部下にもイジワルしたりイヤな面が出てくる。
そのへんを描かないで「やったぜ!」で終わらせたのは
お話として正解だったと思う。


最近あんまりまんが読まないけど
やはりおもしろいまんがはおもしろい。