うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

THIS IS USを見終わった件あるいは最高だったTHIS IS USへの感謝状。

ここ最近のわたくし個人的ニュースというのがいくつかありますが、
その内の一つが「やっとTHIS IS USを見終わった」というのがあります。
連続ドラマをあまり見ない私ですが、これはとてもいいドラマでした。
THIS IS US。
2016年から2022年までやっていたアメリカのドラマ。
いわゆる海外ドラマです。


私は2018年か2019年くらいから見始めて、2023年に全シリーズ見終えました。
なお、見始めたころの感動を以前の日記に書いていたりもする
THIS IS USが最高すぎる。いろいろはやく書きたいこともあるのに、THIS IS USが最高すぎて書けない。 - うさみ日記
それほど心に響いたんですよ。
なにかのラジオ番組でDJの人が「すごくいい」と言ってて見始めて、本当によかった。たまたまラジオ聞いててよかった。
んで、ついに去年見終えてしまった。寂しい。


複数の主人公が36歳の時からお話がスタートして、
年に1シリーズ。登場人物たちは一つ年を取ります。
もちろんだけど見ている自分も年を取る。
最初から最後まで「悩み多きかな、人生」って感じ。
どの時代のどの人にも目の前の悩みや「少し先に見える影」みたいなものがある。


どうにもならないこともあるし、どうにかできることもある。
どうにもならないことなんてどうにでもなっていいこと、と歌ったのはザブルーハーツ甲本ヒロトさんでしたが、
その言葉を思い出すくらいにはどうにもならないいろいろなことが起きます。
で、ストーリーも優れてたんだけど、登場人物たちの心の描き方が見事だったなー、と思うんですよ。

心と感情の描き分け

海外ドラマって、昔は大味だったなー、と思うんですよ。
ストーリーも、登場人物も、脚本も。
今見るとものっすごい陳腐だったりするじゃないですか。
ノスタルジックに楽しいとは思うけども。


THIS IS USはね、撮影とか映像の技術の面だけでなく、演技や脚本の面でも最新でした。
「無表情で固まる」って、昔からある演技だけども、その無表情と、無表情のあとに動き始める演技に昔にはなかった技術がある。
いまいちなドラマみたいに、とりあえず驚く演技は目を大きく見開く、みたいな感じもない。
登場人物が生き生きと動いているのね。


ストーリーに沿って動いてるんじゃなくて、心に従って動いているように見えるんだよねー。
そのくせ名シーンがガンガン出てくるのよ。
見てない人は見たほうがいいと思う。
ほんと、第一話だけでもいいからぜひまだの人に見てほしい。

人生の教訓も得られると思うのよ

家族とか夫婦とか友人とかコミュニティとか、
生きてるといろいろな人とかかわるじゃないですか。
んで、THIS IS USの登場人物たちも同じようにいろいろな人と関わりながら生きていきます。


そこに学びがある。
ああ、こういう経験あるなー、ということとか、
えー、こんなんなっちゃったらどうしよう、とか。
夫婦喧嘩のシーンとかね、親子のいさかいのシーンとかね、
仕事で本当にどうにもならないほど打ちのめされるときとか、


いっこだけ参考まで書いておくと、
ランダルとベスっていう夫婦がつらいことに直面した時にやる
「最悪のシナリオゲーム」っていうのが、実際に私の役にたってます。


トラブルメイカーな家族が増えて、つらくなってきたときに、
「このままだと、最悪の場合はどうなると思うかお互いに順番に言いましょう」
とどちらかが言い出して実際にやり始める。


「娘が一人不良になる」
「他の娘もつられて不良になる」
「おかしな仲間と付き合い始める」
「ドラッグにハマる」
「ストリッパーになる!」


くらいまで出し合ってから、
なんだそれ最悪だ!そうなる前になんとかしないと!と、それを回避するための頭を使い始める。
で、実際その後その最悪なシナリオのままには進まないんだけど、
具体的に「なにが最悪か」を考えるのっていいことだと思う。


ちなみに私はたまに仕事の打ち合わせとかで、最悪の場合の話をしたりします。
イベントやるときとか、何が最悪かってお金と時間を使ってるのになんの結果も出ないことですよね。
じゃあそれを避けるために何ができるのか、と。
最悪を考えておくことって、最善のゴールを考えてそこを目指すのと同様にいいことだと思うのよね。


あ、逆も話すけどね。このまま続けて、いい結果ってなんだろね、という話。
最終的に収入が増えて!とかまで言ったりしてます。
「このwebサイトが安定して動いていて、今回の修正ができたおかげさまで、安定して問い合わせが来ているし、今後の改善計画もあるからより結果が出ちゃうと思うんですよ。
そうするとより大きな利益が生まれちゃったりして、デザイナーの〇〇さんやインフラの〇〇さんの評価も上がって収入も増えていって…」とか。


ベンチャーで働いてた頃仕事でお世話になった人に「最善の場合のフレーズ」として、
「これは完璧にやれたらハワイだなー」って言葉を使う人がいました。
その時の仕事が当たって儲かって、安定してきたらハワイに行く!と。超具体的だよね
お金もないといけないし、時間もないといけませんからね、ハワイ。


ちょっと脇道に行き過ぎたな。
THIS IS USの話に戻します。

時代と場面の描き分け

ネタバレになりそうなので、ちょっとでも見てみようかなー、と思った人には先に第一話だけでいいから見てほしいんですけど、書きますね。
THIS IS USって、1980年から2032年までを描いた現代劇なんですよ。
長くない?52年間だよ。
しかも、その52年間が時系列で進むだけじゃなくて、一話の中でも前後しまくる。


最初のほうは1980年代と2010年代の2つくらいだけど、
最後のほうなんて5つくらいの年代に移動しながらストーリーが進んでいく。
1話の中でも2000年と2020年で伏線回収したりするのよ。
しかも全6シリーズで齟齬なく、もれなく、MECEに、かつ感動的に。


昔出てきた登場人物の言葉が、行動が、未来の主人公たちの人生を導いていく。
過去放たれた心無い一言が、その後の人生を縛りつけたりする。
こんな方法で人生を描くとかほんとすっげー。
私、よくできたSFが大好きなんですよ。


最近で言うと三体とかプロジェクトヘイルメアリーとか楽しく読みました。
好きな映画はインターステラーかなー。
これらの共通点って「空想の技術を生かしながら、人間を描いていること」だと思うんですよね。
んで、THIS IS USですよ。空想の技術なんてなくて、ひたすら人間を描いている。


人間の弱さ強さやレジリエンスを描きまくっている。
脚本家やばい。
どんな作り方をするんだろうこんなの。
よくある「回想シーン」ってあるじゃない?昔を思い出してるときに出てくるやつ。
すべてのシーンがすべての回想シーンなんですよ。


どの事件も、どの感動的なシーンも、必然としてそこにあるんですよ。
緻密に計算されて作られたケーキみたいに、
巨匠の作ったクラシック音楽みたいに、
全ての部品に必然性があって、全ての部品が高いレベルで作られてて、それらが超高度に組み合わされている。

大団円

んで、最後がまた本当によかったんですよ。
6シーズンもあると途中ちょっと中だるみするじゃないですかさすがに。
こちらもドラマを見慣れてないからドラマウォッチャーとしての筋力もないし。
でも6シーズン目ですべて回収して超高評価で終わった。


登場人物の年齢がみんな上がってきて、いろいろな厳しい状況に直面することもあるんですよ。
でもその一つ一つを乗り越えたり乗り越えられなかったりしながら時間が流れていく。
人生に希望が持てるような終わらせかただった。
上のほうで第一話だけでも見て!と書きましたが、見始めたら最後まで見るのをおすすめします。

好きな登場人物

そんな長い期間を描いているお話だから登場人物もけっこう多いんですよ。
主要な人たちだけでも多いし、それぞれとっても味があるサブキャラ達もそこそこ多い。
私が一番好きなは上にも名前が出てきた「ベス」です。ベサニー!


厳格な家庭で育ってきた人で、ストイックさと人を許す心の広さを持った人。
皮肉な面もありつつ、周りのことを常に気づかっている。
深い悲しみの中にいる人にそっと寄り添えるような人
気づかいすぎて自分のやりたいことと周りのバランスで苦しんだりする。


「私は犠牲になってきたのに」って、人生において言いたくないセリフの一つじゃないですか。
そんな役。



そんなこんなで、
ストーリーとしてとてもよくできているし、
生きていく上での学びがあるので、作ってくれた人に感謝しています。
ありがとうTHIS IS US。まだの方はぜひぜひ。アマプラとかで見ることができますよ。