うさみ日記

東京都日野市からまいりました宇佐見直人です。ITとかマーケとかの話や、勉強した話なんかをするよ。

作曲編曲というか録音とプログラミングの歴史が似てる話。

この二つの育ってきた流れってなんか似てるな〜、
と思ったので、メモ。


記録する→記録して再利用する→他人と共有する
っていう流れが似てるんです。
テクノロジーの進歩が背景にあるからだね。


なんか長くなっちゃったので、
おひまなときにどうぞ。



ライブだけの時代

それはもうはるか遠い昔。
一番最初の音楽はリズムだけで、その後、音階ができてきました。
後世に伝える技術は、聴いて覚えること。演奏はもちろん全て生。


けっこう昔。
記録媒体が無い頃、
プログラマーはコンピューターに直接入力して
必要な結果を出力していました。

紙に記録する時代

かなりな昔。
楽家は紙に音楽を記す方法を編み出しました。
「楽譜」です。
楽譜を元に直しを加えられるようになり、
死んでも楽譜があれば後世まで作った曲が残るようになりました


かたや、
けっこう昔。
プログラマーはすぐにプログラムを手元のメモ用紙に記録しました。
だってめんどくさいし、おぼえらんないし、同じことどうせなんどもやるんだし。

録音の発明

そこそこ昔。
音楽を録音することができるようになりました。
レコーディング技術の誕生です。
演奏家が集まって一緒に演奏したら、それをそのまま後で聴ける。
でも誰かがとちったらやり直しになっちゃったりするのがたまに傷。
その後記録媒体はレコードカセットテープCDLDMDDVDとどんどん容量が増えて行きました。


かたや、
ちょいちょい昔。
プログラマーはパンチカードを発明しました。
プログラムを穴に閉じ込めた魔法のような紙です。
パンチカード - Wikipedia
その後記録媒体は進化して、
カセットテープやフロッピーディスクやハードディスクやMOやUSBフラッシュメモリコンパクトフラッシュやSDカードが生まれ、
容量がどんどん増えていきました。

オーバーダビングの誕生

ちょいっと昔。
最初は録音=一発録りでしたが、
オーバーダビングという技術が登場します。
各楽器の担当者が順番に演奏して、音を重ねる時代になったんです。


仮歌を撮って、歌を聴きながらドラムを録って、聴きながらベースを弾いて、
聴きながらギターを弾いて、聴きながらボーカルを乗せて…。
このおかげで間違いをやり直しやすくなったり、二回演奏してカッコイイ方を使ったり、
音の壁みたいなサウンドを作ることができるようになりました。


また、録音機材がアナログからデジタルに移行するのに伴って、
最初は何回か重ねたらふにゃふにゃになってた音が、
音質を損なわずにいくらでも重ねられるようになりました。


かたや、
ちょっと昔のプログラマー
巨大システムを作る場合はたくさんの人が協力して作るようになりました。
それぞれがそれぞれのパートを最高にカッコよく仕上げて、
それをつなげられるような方法が産まれました。
オブジェクト指向 - Wikipediaとかね。


一枚の紙に絵を描くのではなく、各自が各自の紙に描いてうまくつなぎ合わせるような進め方。
その分、設計やまとめ作業やテストが複雑でたいへんになったけど、
みんなが横並びで作業ができるから効率的になりました。
その各自の部品を後のために取っておいて、再利用するようになりました。
だってどの道あとで同じことやるんだし。

サンプリングとマッシュアップの時代

デジタル録音技術は「サンプラー」と「シーケンサー」という魔法を発明しました。
他人の演奏を一部分だけ切って貼ってコピペって、
ほんの少しのフレーズから一曲まるまる作ってしまうようなやり方です。
また、全く違う二つの曲を一つにくっつける
マッシュアップ」という考え方も産まれました。
このころになると生バンドにDJが入ってたりもうなんでもアリです。
一人で自宅録音するのだって、プロミュージシャンの演奏パーツを組み合わせて自分の音を乗せたりできる。


かたや、
プログラマーは自分が作った便利なものを他人にも共有するようになりました。
誰かがやってるならそれ使った方がはやいし。
ネット使えば簡単に共有できるし。
さらにその「他人が作ったもの」をさらに便利に作り替えたり、
作った本人に「こんな機能もつけてぇ〜ん」とお願いしたりするようになりました。
効率はさらにアップしました。
(もちろん実際はそんな簡単じゃないけども!)。
jQuery - Wikipedia
GitHub - Wikipedia
twitterbootstrapとか。


超作業効率アップ。
一人でできることの範囲も広がりました。

ん?一人でできること?

いや「一人でできる」というよりも、
ご先祖様や仲間達が今まで積み上げてきたものの上で作業しているというのが合ってるかも。


雑誌かなにかのインタビューで、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A0
か誰かが
「僕はTOKYOにいても『自宅にあるマイケルジャクソンのあの曲のキックが使いたい』と思ったら、そのフレーズを使えるんだ」
みたいな話をしてた。えらいカッコよく見えた。


プログラムも音楽もそういうことができる時代なんだよね。
あ、でも、そんな時代だけども、
ゼロからちまちまプログラムするのは(納期が迫ってなければ)楽しいものだし、
一発録りのかっこいいロックンローラーもいるのが面白い。
はたまたJohn MayerやMIYAVIみたいな「それ歌いながら弾く?」みたいな個人技優れたギタリストもカッコよい。

どっちが進んでる?

「誰かが作った優れた部品を使える環境」という意味では、
プログラマーがミュージシャンを追い越した、と思う。
どっかに音楽版のGithubがあればいいのに。


もちろん性質の違うものだから、
一言で進んでるとか送れてるとか言うものじゃないですが。


ちなみに他の業界でも同じような動きがあって、
料理だとスペインのサンセバスティアンとか京都の吉兆嵐山本店では、
今まで隠されてきたレシピや調理技術をオープンにしてる。
また、図書館はだいぶ前から蔵書データのオープン化をしてて、
カーリル | 日本最大の図書館蔵書検索サイト
みたいなサイトも産まれてる。
まんがだとエラー
無料で読めて再利用もできたり。
学術論文は
http://scholar.google.co.jp/schhp?hl=ja
に行けば見ることができる。


google scholarの検索フォームの下には
「巨人の肩の上に立つ」と書いてあるんです。
おお、google様にまとめていただいた感じ。



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