システム開発業界あるあるなんだけども、
要件定義をどんなに自己満足的にがんばってしても、
その結果できるものはまったく違うものになるのよ。
なのにいまだにこういう話を聞く。
たとえば、食べ物で考えよう。
「エビをカラッとフワッと揚げて、マヨネーズで和えてある、
おいしくて、おなかにたまる料理が食べたい。」
っていう要件があるじゃん。
エビマヨが食いたいの。ちょっといい中華屋の
自分では中華料理屋の円卓でエビマヨがクルっとまわってきてるイメージ。一皿1500円くらいの。
「できます!」って言った人の中で最安値のとこに依頼しちゃうから、
実際に提供されるのがタッパーにスカスカっと入った一皿100円の回転寿司屋の「エビ天の軍艦」だったりするのよ。
どう見ても2カンで100円4カンで200円(税別)なのに売値は1,500円。
冷めきった料理とともに一気に冷める関係。
そりゃ揚げた時点ではカラッとフワッとだったかもしんないし、それなりにおなかにたまる。
百歩譲っておいしいかどうかなんて主観だし
育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めませんよ?たしかに。
とはいえ「マヨネーズで和えてある」って話どこ行った?
あ?はじっこにマヨネーズがくっついてる?ああそうですかこの野郎!!
全然考えてるのと違うから!酢飯なんか必要ないから!
っていうと、もちろん一瞬裏に引っ込んで酢飯だけ外して出てきたりする。
ノリもいらないから!っていうと、再び裏に引っ込んで外して出してくる。
これを何回か繰り返して、しまいには作ってた人が失踪したりする。
そんな不幸の話をいまだに聞く。
なにかしら出てくればまだいいほう。
全然なんにも出てこなくて
できてるとこまで見せてっつったらグズグズになったエビだけ見せられることもあれば、
なぜかカニを見せられたりすることもある。
作り始めてたらそれはそれで
途中までの手間だけかかるし、
作ってた側はこれで大打撃を受ける。
誰も幸福にならない状況。
例の絵「顧客が本当に必要だったもの」
顧客が本当に必要だったもの。
システム管理者 | ミニミニ管理者(プロジェクトマネージャ/システム管理者/社内SE/CIO)の独り言
っていうのが、
そうとう昔からあるですよシステム業界には。
目に見えないし見たことの無いものを作ってるのに、
足りない部分を想像力で補ったり、
「たぶんわかってるだろう」
みたいなことを思って進めちゃうから。
こないだ
エンジニアってみんな魔法使いだとか焼き鳥だとか丁寧なかけ声とか。 - うさみ日記
に書いたような話だけど、発注してる側は魔法のメカニズムがわかんないし、
苦手意識があったりもするし、
魔法使いさんはなんか頭よさそうだからきっとわかってくれると思っちゃう。
でも魔法使いさんは超能力者じゃないから。
テレパシーでほしいものをわかってくれないから。
欲しいものはできないんですよ。
んで、ちっさい規模のものであれば、
直す手間もチョイチョイで済むかもしんない。
でも実際にはデカいものを作るのに、
全員が全員間違えたゴールを目指してたりする。
もっと言えばゴールがわかってない人ばっかりだったりする。
書いたとこでどうなるもんでもないんだけど。
昨日書いた
仲介手数料ゼロ円の不動産の話 - うさみ日記
と同じで、書いたとこでどうなるもんでもないんだけど、
こういうことってあるのよ〜、というのを、
ちょっとでも知ってもらえたら不幸な出来事が減るのかしら。と思うことがあるんで書いてみた。
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